• "ボーリング場"(/)
ツイート シェア
  1. 愛知県議会 2007-02-01
    平成19年2月定例会(第3号) 本文


    取得元: 愛知県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-18
    愛知県議会 会議録の閲覧と検索 検索結果一覧に戻る 検索をやり直す ヘルプ (新しいウィンドウで開きます) 平成19年2月定例会(第3号) 本文 2007-03-05 文書発言の移動 文書 前へ 次へ 発言 前へ 次へ ヒット発言 前へ 次へ 文字サイズ・別画面表示ツール 文字サイズ 大きく 標準 小さく ツール 印刷用ページ(新しいウィンドウで開きます) 別窓表示(新しいウィンドウで開きます) ダウンロード 表ズレ修正 表示形式切り替え 発言単文選択全文表示を切り替え 単文表示 選択表示 全文表示 発言者表示切り替え 全 43 発言 / ヒット 0 発言 すべての発言ヒット発言表示切り替え すべての発言 ヒット発言 選択表示を実行・チェックの一括変更 選択表示 すべて選択 すべて解除 発言者一覧 選択 1 :  ◯議長内田康宏君) 選択 2 :  ◯議長内田康宏君) 選択 3 :  ◯二十八番(藤川政人君) 選択 4 :  ◯健康福祉部長小島通君) 選択 5 :  ◯二十八番(藤川政人君) 選択 6 :  ◯知事神田真秋君) 選択 7 :  ◯議長内田康宏君) 選択 8 :  ◯五十四番(原田信夫君) 選択 9 :  ◯総務部長今井秀明君) 選択 10 :  ◯建設部長藤井則義君) 選択 11 :  ◯健康福祉部健康担当局長五十里明君) 選択 12 :  ◯四十番(田辺克宏君) 選択 13 :  ◯議長内田康宏君) 選択 14 :  ◯議長内田康宏君) 選択 15 :  ◯副議長小久保三夫君) 選択 16 :  ◯六十三番(佐宗靖広君) 選択 17 :  ◯教育長伊藤敏雄君) 選択 18 :  ◯知事神田真秋君) 選択 19 :  ◯六十三番(佐宗靖広君) 選択 20 :  ◯副議長小久保三夫君) 選択 21 :  ◯七十二番(黒川節男君) 選択 22 :  ◯産業労働部長(平野洋君) 選択 23 :  ◯地域振興部長(渡邉俊司君) 選択 24 :  ◯農林水産部長(小出義光君) 選択 25 :  ◯環境部長(林清比古君) 選択 26 :  ◯副議長小久保三夫君) 選択 27 :  ◯二十五番(伊藤勝人君) 選択 28 :  ◯教育長伊藤敏雄君) 選択 29 :  ◯産業労働部長(平野洋君) 選択 30 :  ◯三十九番(三浦孝司君) 選択 31 :  ◯副議長小久保三夫君) 選択 32 :  ◯副議長小久保三夫君) 選択 33 :  ◯議長内田康宏君) 選択 34 :  ◯五十番(渡会克明君) 選択 35 :  ◯健康福祉部長小島通君) 選択 36 :  ◯健康福祉部健康担当局長五十里明君) 選択 37 :  ◯議長内田康宏君) 選択 38 :  ◯六十一番(寺本充君) 選択 39 :  ◯産業労働部労政担当局長(青木学君) 選択 40 :  ◯警察本部長(山本博司君) 選択 41 :  ◯四十番(田辺克宏君) 選択 42 :  ◯議長内田康宏君) 選択 43 :  ◯議長内田康宏君) ↑ 発言者の先頭へ 本文 ↓最初のヒットへ (全 0 ヒット) 1:     午前十時十分開議 ◯議長内田康宏君) ただいまから会議を開きます。  直ちに議事日程に従い会議を進めます。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━   日程第一 一般質問 2: ◯議長内田康宏君) これより一般質問を行います。  通告により質問を許可いたします。  藤川政人議員。     〔二十八番藤川政人君登壇〕(拍手) 3: ◯二十八番(藤川政人君) 皆さん、おはようございます。障害者の地域生活とコロニーの再編計画について、通告に従いまして質問させていただきます。  障害のある人が安心して暮らすことができる地域社会の実現を目指して、障害者自立支援法が昨年十月に全面施行されました。この自立支援法により新しい仕組みの障害者福祉サービスが始まり、障害者福祉の大きな転換が進みつつあります。  一方、サービスの体系や仕組みが大幅に変更されたため、利用者や御家族、事業者等の関係者の方々に大きな戸惑いが生じ、利用者の原則一割負担の導入や事業者報酬の減少などの問題も指摘されております。  そのため、国においては、各方面からの指摘や要望を受け、障害者自立支援法の円滑な定着を図るため、平成十八年度の補正予算で総額九百六十億円に上る障害者自立支援対策臨時特例交付金を盛り込み、全国で緊急的な支援策を講じることとしたところであります。  これを受け、本県においても、この二月議会に障害者自立支援対策臨時特例基金の設置が提案され、その有効活用が期待されるところであります。  こうした中で、県においては、今後の障害者福祉施策の道筋を示すために、施設から地域生活への移行や就労支援といった課題について具体的な数値目標と、その目標達成のための取り組みを定める障害福祉計画の策定が進んでいると伺っております。  さらに、この障害福祉計画の策定と時期を同じくして、心身障害者コロニーの再編計画も策定中であり、現在、コロニー入所者の計画的な地域生活移行の推進と、地域生活を営む障害のある人たちを支援する拠点センターへの転換を柱とした計画案が公表されております。  これまで、コロニーの本県障害者福祉に果たしてきた役割は非常に大きいものがあったということは認識をしておりますが、障害者自立支援法に見られるように、現在の障害者福祉のあり方は、施設福祉から地域福祉へと大きく転換してきているところであり、私自身、この流れを理解するものであります。重い障害があってもできる限り家族とともに、あるいは家族の近くで障害者の方々が行き届いた福祉サービスや地域支援を受けながら、障害者本人も家族も安心した生活を過ごせるならば、それを望まない者はありません。それは障害のある人の御家族にとっても同様でありましょう。しかし、その一方で、御家族の不安も極めて切実であります。  先ごろ、コロニーに入所している障害のある人の御家族の方から私に御相談がございました。相談内容は次のようなものでありました。  昨年十一月にコロニーの保護者会が開催され、コロニーの再編計画の説明と利用者一人一人の地域生活を目指した支援を進めていくための地域生活移行プランの説明がありました。その中で、コロニーの職員からは、地域生活への移行は、入所者の気持ちや保護者の理解を得ながら進めていくとの前置きがあり、少しはほっとしたものの、御家族にとっては、コロニーには病院もあり、職員さんにもよくしていただいている。地域生活への移行は考え方としてはわかるが、ただ、重度の障害があるがゆえに、また発作のおそれなど緊急の医療の必要があるゆえに、家族やホームヘルパーの介護など、これまでの福祉サービスだけでは地域での生活はできないのではないか。そのためにこれまで施設で生活を送ってきたのであり、施設の方が安心できる。自分も年をとり、病気をしたり、動けなくなったとき、地域生活になっても不安でいっぱいである。何とかならないかという切実なものでありました。  さきの知事選挙において、神田知事はマニフェストの中で、障害者の自立生活を支援しますと約束されました。障害者御本人はもちろんのこと、御家族の方もこのことを大変心強く思い、それが今回の結果につながったのだと思います。
     コロニー再編計画案では、障害のある人たちが可能な限り自立し、地域の人たちと交流しながら、安心して生きがいを持って、ともに生活できることを基本とし、入所者の地域生活への移行を進めるとして地域移行の数値目標が掲げられておりますが、重度の障害者に対する地域の福祉基盤、医療基盤を充実し、グループホームやケアホームなどで十分な介護と地域で医療が受けられる安心がなければ、御家族の不安をぬぐい切れるものではありません。  重度の障害のある人の地域生活への移行を目指すに当たって、手厚い介護と医療をどのように充実させ、障害者御本人や御家族の安心した生活を保障させていくのか、そういった観点から順次質問をさせていただきます。  第一点目は、地域生活への移行を進めるに当たって、地域での生活の場の受け皿をどのように進めていくかであります。  地域における生活支援の体制整備については、障害者自立支援法に基づく県あるいは市町村の障害者福祉計画で進められることになっておりますが、この計画は、同法の本格施行が平成十八年十月であったこともあり、法施行後の状況を十分に把握できていない中での計画策定ではなかったかと思います。  地域での住まいの場として御家族からも注目を受けているのが、グループホーム、ケアホームであります。再編計画でも、地域生活移行とは、単に家庭に戻すことではなく、地域のグループホームなどで地域の人と交流しながらともに暮らしていけるようにしていくことであるとされております。  しかしながら、現実には、今回の自立支援法による事業者への報酬の引き下げなどにより、グループホームの経営は苦しく、低賃金や長時間の労働で世話人さんの確保もままならない状況であると聞いております。安定的な運営の担保がなされないと保護者は安心できません。  知事のマニフェストの中には、グループホームやケアホームの運営に対する補助を拡充しますとあります。地域生活への移行を進めるに当たっては、その受け皿としてのグループホームやケアホームは大変重要な役割を果たすと考えますが、今後どのように整備を進めていかれるのか、また、グループホームやケアホームの運営に対する補助についてどのようにお考えなのかをお伺いいたします。  さらに、グループホーム、ケアホームの住まいの問題だけではありません。入所施設においては、二十四時間、三百六十五日の支援があり、生活全体を見守られていることから、御家族にとっても安心感があります。  これに対して、地域生活においては、住まいのこと以外に、仕事や余暇など日中をどう過ごすのか、病院への通院はどうするのか、金銭管理をどうするのかなど、安心して生活を送るためにはさまざまな課題が出てくることが想像にかたくありません。  入所施設にかわって、二十四時間、三百六十五日の暮らしを支える、いわば地域生活を支援するシステムが確立されてこそ、本人も御家族も安心して地域生活を目指すことができるものと考えますが、県として、この地域生活を支援する仕組みの整備についてどのような取り組みをされるのか、あわせてお伺いします。  第二点目は、今後の入所施設のあり方についてであります。  国の障害福祉計画の作成指針では、平成十七年十月の施設入所者数の一割以上が平成二十三年度末の段階で地域生活へと移行することとし、施設入所者数を七%以上削減することを基本とされており、県の障害福祉計画案によれば、コロニー利用者の地域移行も踏まえまして、一五%の障害者施設入所者の地域生活への移行の目標を掲げられておられますが、県内の入所施設は今後どのようになっていくのでありましょうか。  例えばコロニーはるひ台学園は、十八歳以下の児童を対象とした施設であることから、二十三年度までに八十人の成人を地域生活に移行させ、将来は、自閉症の専門病院として、現在の施設規模を二十四年度には三十人と規模を縮小して存続させるとしております。しかし、入所児童が十八歳を超えたとき、受け皿がなければ、現在のように大人が大半を占める状況になることが想定されます。さらに、コロニーの十八歳以上の成人施設である春日台授産所や養楽荘は五年または十年で廃止となっております。  地域生活ヘ移行したものの、地域生活の継続が困難になった場合のセーフティーネットとしても施設への再入所が必要であると考えますが、今後、成人の入所施設についてどのようにお考えなのかをお伺いいたします。  第三点目は、地域における医療体制の確保についてであります。  重度の障害の方を抱える御家族にとって最も大きな不安の一つが、地域における障害のある人に対する医療体制が十分整っているとは言えないということであります。現在のコロニーこばと学園の重症心身障害者やはるひ台学園の強度行動障害のある人などは、コロニー中央病院のほかに対応できる病院は限られており、そのことが地域生活への移行を困難にしています。地元の病院での受診を断られたり、御家族の付き添いを余儀なくされるなど、御家族の不安は尽きません。  実際に御父兄の方に伺ったところによりますと、A市民病院は受け入れに対して非常に難色を示される、B病院はオーケーと言われる、C市民病院は親の付き添いが必要とのことであり、骨折したお子さんのために七十歳を超えたお母さんが電車で何十分もかけて病院に通われたそうであります。  風邪や腹痛などは地域の医療機関で気軽に診療していただき、病気が重篤な場合は地域の総合病院、最後のとりでがコロニー中央病院といったようにシステム化していくことがより理想的であると考えます。  地域における障害者医療体制の確保がなければ地域生活への移行も進まないと思います。こうした御家族の不安にどのようにこたえていかれるのか、お伺いをいたします。  最後の質問は、再編後のコロニーについてであります。  再編計画の案によれば、高度な専門性とノウハウを生かし、心身の発達障害のある人たちの地域生活を広域的、総合的に支援する拠点となる愛知県療育医療総合センターへ転換していくと計画されています。  また、知事のマニフェストにおいても、医療、療育のサポートを総合的に行う中核機能を発揮できるよう、心身障害者コロニーの機能再編を進めますとされております。  しかしながら、現実を見てみますと、コロニー中央病院精神科の新規外来患者の待機期間六カ月待ちは常識と伺っております。障害のあるお子さんを持った親にとって、長期に診療が受けられない状況ではいたたまれないものであります。  障害者自立支援法に規定された県の果たす役割は、広域的、専門的な支援、人材の育成であります。障害の有無や年齢に関係なく、だれもが住みたい地域で安心して暮らすことができるノーマライゼーションの理念や共生生活の理念はすばらしいことであります。ぜひそうあってほしいものと願っております。  そのためには、県がリーダーシップを発揮しつつ、さまざまな不安を解消し、障害のある人が安心して暮らせる地域づくりを進めていかなければなりません。  そういった意味で、本県の障害福祉の中核を担ってきたコロニーについて、今後地域を支える視点からその機能をどのように高めていかれるのか、また、再編計画の期間は十八年度から二十七年度までの十年計画となっており、私は、この計画の早期実現を希望するものでありますが、その点についてもお伺いをいたします。  以上、壇上からの質問とします。(拍手) 4: ◯健康福祉部長小島通君) 障害者の地域生活とコロニーの再編計画についてお答え申し上げます。  まず、グループホームやケアホームの整備についてのお尋ねであります。  障害のある方の住まいの場として、グループホームやケアホームの整備促進は重要な課題であると認識いたしております。県の障害福祉計画案では、グループホーム及びケアホームにつきまして、現在の一千二百三十三人分から平成二十三年度までに一千五百三十八人分を追加整備いたしまして、二千七百七十一人分とする目標を掲げております。  本県では、これまでグループホームの整備促進のため、アパートなどを借りる際の敷金、礼金やエアコンなどの備品購入費に対して、県単独の補助をしてまいりました。  また、今年度から重度の障害のある人も利用できますよう、住宅のバリアフリー化などのための改修費にも助成をしております。グループホームやケアホームの需要は急速に高まっておりますので、今議会でお願いしております障害者自立支援対策臨時特例基金の有効活用を図るなどして、整備促進を図ってまいりたいと考えております。  次に、グループホームやケアホームの運営補助についてでございますが、今後、地域の受け皿として、積極的にグループホームやケアホームの設置を進めてまいりますためには、世話人の安定的な雇用など運営面での助成も必要でございますので、市町村やサービス事業者である社会福祉法人などと十分な意見交換を行いながら、この点につきまして検討を進めてまいりたいと考えております。  次に、地域生活を支援する仕組みの整備についてでございます。  一人一人の地域生活を支えるためには、身近な市町村におきまして、障害のある方のさまざまな相談に乗り、必要な福祉サービスを組み合わせた個別支援計画を作成いたしましたり、権利擁護のための援助を行うなど、障害のある方の地域生活を支えるための相談支援体制の充実が不可欠でございます。  このため、県といたしましては、こうした業務を担う相談支援専門員、こうした方の養成研修を実施いたしまして、必要な人材の確保に努めているところでございます。  また、地域における相談支援に十分な経験があり、障害者福祉に高い見識を持つ方をアドバイザーといたしまして、新年度、新たに各障害保健福祉圏域ごとに設置をし、これらの方々に地域での支援ネットワークの構築に向けた指導、調整や、地域では対応困難な事例に係る助言、さらには、市町村に設置されております自立支援協議会への参画など、広域的な支援活動を行っていただくことといたしております。  こうしたことによりまして、どこの地域にあっても、障害のある方が安心して暮らせる仕組みを市町村とともに構築してまいりたいと考えております。  次に、今後の入所施設のあり方についてでございます。  コロニーの成人施設が廃止されることによりまして、行き場を失うのではないかと不安を抱かれる御家族も多いことは承知いたしております。  地域生活への移行に当たりましては、御本人や御家族と十分相談し、御理解を得て進めていくことといたしておりますが、何らかの事情により、グループホームなどでの生活を継続することが困難になりました場合には、その地域の施設に再入所していただき、その間に改めて御本人の支援体制についての調整を図った上で地域生活に戻っていただこうと考えております。  なお、地域の施設で受け入れが困難な場合には、当分の間はコロニーの施設に再入所していただき、地域生活に再度チャレンジしていただくことも考えております。  また、地域の入所施設におきましては、自立支援法に基づく新体系に速やかに移行していただき、就労支援や自立訓練など、地域で暮らせる力をはぐくむための機能を充実させたり、グループホームのバックアップやショートステイなど、地域での暮らしを支援する機能も一層強化していただくよう働きかけてまいりたいと考えております。  次に、地域における医療体制の確保についてでございます。  議員御指摘のとおり、障害のある方たちが安心して地域生活を送っていただきますためには、地域の医療体制の確保は不可欠でありまして、数少ない障害者医療の専門病院であるコロニー中央病院としても、地域医療の充実に向けた支援を進めてまいりますことは、一つの使命であると認識いたしております。  今後、コロニー中央病院では、地域の医療機関からの紹介率を上げ、高度で専門的な医療の提供を進めてまいります一方、地域の医療機関で診療可能な方などに対しましては逆紹介を進めまして、積極的に機能分担を図りますほか、今後、地域で障害者医療に携わる医師や看護師等の人材の育成などに取り組んでまいります。  また、他人とのコミュニケーションを苦手とすることが多い自閉症の方が安心して地域の医療機関を利用できますよう、自分の特徴や障害の程度、コミュニケーションのとり方など、受診の際、参考となる情報を記載する受診サポートカード、こういったものを新年度新たに作成、配付をいたしまして、その活用を進めてまいります。  こうした取り組みによりまして、医療機関相互の連携強化と心身の発達障害に関する医療ネットワークづくりを進め、障害のある方がいつでも安心して地域の医療機関にかかることのできる環境づくりを目指してまいりたいと、かように考えております。  最後に、再編後のコロニーについてでございます。  今後、コロニーは、障害のある方が安心して地域生活ができるよう、平成二十四年度をめどに、心身の発達障害のある人たちの地域生活を広域的、総合的に支援する拠点となる療育、医療の総合センターへ転換してまいりたいと考えております。  新たなセンターでは、高度な医療の提供と発達障害の研究、障害に応じた専門的な療育の提供など、障害の早期発見、早期療育に重点を置いた機能を充実してまいります。そして、広域的、専門的な視点から、地域を支える人材の育成や行政機関、地域のサービス事業者などへの相談支援体制の強化を図り、医療、福祉のネットワークの中核としての機能を果たしてまいりたいと考えております。  また、計画の早期実現についてのお尋ねがございましたが、この計画は、地域移行を進めながら機能の再編を行うものでございまして、入所者や保護者の方々の御理解を得ながら進めていく必要がございますので、計画期間どおり実施してまいりたいと考えております。  なお、御指摘のありました中央病院児童精神科における新規外来の診療待ちにつきましては、地域の医療機関との医療ネットワークづくりを着実に進め、地域との機能分担を図ることによりまして、待機期間の短縮に努めてまいりますので、御理解を賜りたいと存じます。  以上でございます。 5: ◯二十八番(藤川政人君) ここで一点再質問をさせていただきます。  施設に入所してみえます方々の地域移行につきましては、何よりも重要で考えなくてはいけないことは、その入所者の障害の状態や保護者の方々の不安をよく踏まえて進めるということであります。  また、地域移行を進める上では、やはり地域でのグループホームなどの受け皿の整備が大変重要であります。  こうしたことを踏まえ、グループホームの整備推進という観点からも、グループホームの運営を安定的にできるよう、運営に対する助成について早い時期に制度化を図るよう望むものでありますが、その制度化の明確な時期について、知事の決意を伺います。  以上です。 6: ◯知事神田真秋君) お答えをいたします。  グループホームの運営につきましては、大変厳しい状況にあることは認識をしております。さきの選挙のマニフェストの中にも、助成の拡大を県民の皆様方にかたくお約束をしたところであります。市町村の皆様方と調整が必要になってまいりますので、この調整を速やかに進め、でき得れば、六月議会も視野に入れながら御提案を申し上げていきたいと、そのように考えておりますので、よろしくお願いいたします。 7: ◯議長内田康宏君) 進行いたします。  原田信夫議員。     〔五十四番原田信夫君登壇〕(拍手) 8: ◯五十四番(原田信夫君) おはようございます。早速、最初に、指定管理者制度と委託先のあり方につきまして質問を始めます。  公の施設を効果的かつ効率的に運用、管理することを目指しまして、県民サービスの水準引き上げや行政コストの削減などを図るために、地方自治法の一部改正によりまして、指定管理者制度が創設をされました。  愛知県は、平成十六年度には、名古屋飛行場、森林公園ゴルフ場に先行導入をいたしまして、昨年四月からは、既存の九十八施設プラス県営住宅三百四団地、それ以降、新たに三施設が指定管理者制度を適用いたしておりますが、ほとんどがほぼ一年を経過してきております。  愛知県の指定管理者制度への移行事業につきましては、現段階において、直接的、間接的にも特段の問題が生じているとは聞き及んでおりませんが、県内の市や他府県では、指定の取り消しといった事態なども発生していることが幾つか報道をされております。  そこで、質問の第一は、施設の管理者が変わったところの事業移行は今日まで円滑に進んでいるのか、そして一年を経過した今、どのような点に労力を要し、また新たに生じている課題など、現段階におきます実態と評価について聞いておきます。  次に、指定管理者制度を導入した施設全体のうち、そこから再委託される事業を個別に見てみますと、仕事そのものが事務的な色彩が強いもの、日常の施設管理などで比較的小規模な仕事を切り出していくもの、さらには、指定管理者がかなりの金額で、しかも、大規模な施設あるいは雇用が伴うものなど、それぞれ違いがございます。  今回はポイントを絞りまして、建設部が管掌し、指定管理者に指定されました都市整備協会が行う公園管理事業や水と緑の公社が扱う流域下水道事業についてであります。  都市整備協会が受けております平成十八年度の指定管理料は、牧野ケ池緑地を除き総額で約十億円。そのうち、さきの第三者への委託料契約額の総額は二億六千万円であり、指定管理料と第三者への再委託の差となります七億円の七割が都市整備協会の人件費となります。  他方、再委託の事業内容を見てまいりますと、施設の点検整備、樹木管理、清掃業務などでありまして、その委託事業の種類は百七十の事業に分けられ、これに関与する企業数は百五十社となっています。加えて、一事業当たりの委託契約額の平均も百五十三万円と比較的小さく、しかも、契約は一年であります。  そこで質問でありますが、公園管理に多くの企業が関与している意味は十分に理解しつつも、委託先の多さや一件当たりの契約額などの関係について、いま少し工夫が必要と思うわけでありますが、当局の考え方を聞いておきたいと思います。  次に、水と緑の公社と各流域下水道との関係であります。  水と緑の公社の指定管理料は約八十九億円であります。そこから再委託されます契約額は二十四億五千万円。その再委託の契約額のうち、運転保守等業務委託の総額は十七億五千万円と、これまた七割を占めております。さらに、これらの契約期間はほとんどが一年でありまして、運転保守業務が二または三年、例外的に場内警備が五年という内容となっております。  その七割を占めます下水道の運転保守業務を子細に見ますと、再委託先の八流域下水道の特徴的なことは、かなり広範囲で大型の機器を遠隔操作するなどから、運転に従事する総数は二百二十一名で、一流域当たり三十人弱となっておりまして、他の指定管理者制度による再委託先とは性格が大きく異なっていることであります。  そうしたこともありまして、これまでの入札によって委託業者が変わったのは一回のみでありまして、一たん最初の入札で決まったならば、新しい業者に切りかえるのはなかなか難しいというのが実態であります。その理由は、現場のオペレーターの短期的な育成との関係や職務遂行力の確保の困難性などによるものと私は思っております。  指定管理者制度につきましても、そこから先の再委託のあり方について、一定の財源によって効率的かつ効果的な成果をいかに引き出すかが最大の眼目となっておりまして、そうした視点に立ちますならば、一回きりの入札で勝負が決まる建設物などとの違いを踏まえた対応が必要になるものと私は考えております。  そこで質問ですが、県と指定管理者との契約期間は長期になっておるわけでございますが、そこから先の再委託先の下水道の維持管理事業におきましても、同様な観点から、契約期間のあり方や内容などの改善も必要だと私は考えるわけでございますが、この点に対する当局の見解を聞いておきたいと思います。  次に、大きな二つ目は、市場化テストについてであります。  指定を受けました民間企業やNPO法人が運営管理するのが、さきに申し上げました指定管理者制度でございますが、行政サービスの提供主体を民間に開放するのが、いわゆる市場化テストであります。  市場化テストは、官業を市場の競争にさらし、効率を高め、行政サービスの質を向上させることをねらいといたしまして、これは、経済財政諮問会議において政策の大きな柱として位置づけられたことは御承知のとおりであります。  昨年の七月には、官民競争入札等の実施で公共サービスの質の維持向上と経費削減などを目指しまして、公共サービス改革法が施行され、九月の公共サービス改革基本方針で、統計調査、登記関連、窓口関連など、九つの対象業務が示されたところであります。  そして、昨年の十二月に、政府は、ハローワークの職業紹介事務は除外をしつつ、新たに十八を追加した二十七業務を本格実施する方針を固め、都道府県レベルでは、北海道、東京、静岡、大阪、和歌山におきまして、その取り組みが進んでおります。  また、佐賀県は、市場化を協働化テストと、このように称しまして、民への開放が可能とした業務二千二十七件のうち、完全に開放が可能と判断いたしました二百三十六業務を示しまして、現在、具体的に実施するものを検討中とのことであります。  愛知県は、あいち行革大綱二〇〇五の目標といたしまして、分権改革の中での国の動きを見きわめながら、市場化テストの導入に向けた検討を行うとしております。  一方、昨年の九月議会本会議におきまして、近藤議員が提起した課題、さらには、北米、インディアナポリス市での下水道事業をめぐります市場化の視察を踏まえた大見議員の一般質問に対する答弁におきましても、その必要性を認めた上で、対象業務を初め効果や課題などを十分に検討すると答弁をいたしております。  そこで質問であります。  市場化テストをめぐる動きが現在急展開を見せておりますが、この半年間におきまして、県当局はどのような検討を進め、どのような事業をいつ、どのような形で実現していこうと考えているのか、そのタイムスケジュールも含めて聞いておきたいと思います。  大きな三つ目であります。愛知県の地域医療についてであります。  県民の安全・安心を支える重要な柱は医療であります。その医療につきまして県民の立場から見ますと、医療費の負担増やサービスの切り捨てなどがクローズアップされているのは御案内のとおりでありますが、その一方で、サービスを提供する側の構造にも大きな問題が生じていることであります。そこで、今回は、医療サービスを提供する側の問題や課題に対しましてスポットを当てながら質問していきたいと思います。  最初に、国の医療制度改革と県の医療計画についてであります。  昨年の十月二十八日号の週刊東洋経済「ニッポンの医者と病院」は、まさに今日の我が国医療の問題を明確に指摘しておるわけでございます。そこでは、日本の医療が崩壊し始めている、医師とナースはパンク寸前、病院大編成時代がやってきた、診療報酬三・一六ショックと医療制度改革の行方などの見出しが躍っております。  その背景には、国民皆保険制度、出来高払い制度、フリーアクセスなど我が国医療の特徴の中で、医療費の急増を防ぐために、昨年の診療報酬改定で過去最大となる三・一六%の大幅ダウン、高齢者の自己負担増、機能分化を進める過程での手厚い看護への誘導などの対策があります。  他方では、自由開業制度が労働条件が過酷な病院勤務医から開業医へと転進をさせ、医師を中心とした病院医療従事者不足に拍車をかけていることや行き場を失った医療・介護難民の発生を誘発しかねない、いわゆる二〇一二年までに十三万床の介護型療養病床数を全廃、そして医療型療養病床数二十五万床を十五万床へと削減するという問題であります。  これらの医療改革におけます一連の流れを見てまいりますと、財政悪化の中で急速な高齢化社会を迎え、医療費負担の増大に耐えられないという判断から医療費を大幅に削減することの必要性は、これは理解をいたしますものの、それぞれの対策が医療現場の実態や国民生活の実情などを十分に踏まえないまま、強権が発動されているとの印象が払拭できないわけであります。  そんな状態で、我が国医療の構造そのものにメスを入れているだけに、医療システムや現場において極めて大きな混乱を招く結果となり、とりわけ、愛知県がわずか一年前に発表いたしました愛知県地域保健医療計画そのものに対し、一次医療と二次医療との関係などの基礎的な部分で新たな修正を求められるという状況になってきております。  そこで質問であります。  今回の一連の動きを踏まえて、昨年の医療制度改革をどのように評価し、今後の愛知県地域保健医療計画の取り扱いについて、県当局はどのように考えているのかについて聞いておきたいと思います。
     二つ目、地域で生じております医療に関する諸問題についてであります。  愛知県の医療水準を手っ取り早く見るには、病院や診療所などの医療施設、そして、それに従事する医師数が一つの指標になると言えます。そうした基準で、愛知県の全国的な位置を厚生労働省の資料によって調べてみますと、平成十六年十二月末の県内の医師数は一万二千五百七十七人、面積百キロ平米当たりでいけば全国五位でありますが、人口十万人当たりでは百七十五人と、全国順位は残念ながら三十七位とされております。意味合い的には、人口十万人当たりの三十七位の方に実体感があると言え、この愛知県も相当な問題を抱えているということが判明をいたします。  一つは、地域の病院が医師を確保できないという問題であります。新臨床研修医制度の導入並びに開業医への転進者の増加に伴います大学側の医師の引き揚げ、臨床研修医の民間ブランド病院選択意識の高まりなどによりまして、これまで大学病院が担ってきた地方への医師派遣機能が著しく低下をしているということであります。  二つ目、勤務医の労働条件の過酷さなどから、いわゆる医師の立ち去り症候群と呼ばれる現象が顕著になってきていること。そして、医師が少しでも条件のいいところにみずからの意思で大学医局を離籍して移動していくケースがかなり増加していること。  三つ目には、職住分離されました診療所施設の増加などによりまして、本来はかかりつけ医である一次医療が担当すべき症状の患者を診ることができず、それらの負担がすべて二次医療に転嫁されるなど、従来の役割分担の構造が崩れてきていることであります。  四つ目には、小児科や産婦人科はもとより、メーンの診療科となる内科、外科などにも医師不足が及び、しかも、入院を担当する二次医療に常勤医師が不可欠にもかかわらず、大学側の医師引き揚げが地域医療に致命的なダメージを与えつつあることであります。  五つ目には、医師不足がそれぞれの診療科の連携で維持してきた体系を崩壊させ、さらには、今、IT投資も含めまして、医療の質を高めるための体制整備が求められている一方で、診療報酬の引き下げなどにより、公立、民間問わず、地域病院の収益構造の著しい悪化や経営困難を招来させていること、まさに勝ち組と負け組が鮮明化しているということであります。  六つ目には、看護師の配置体制であります。従来の一人で十人の患者を診る十対一看護の入院基本料が千二百六十九点に対し、新設された一人で七人の患者を見る七対一看護の入院基本料が千五百五十五点と、金額に換算をして、一日約三千円も高く設定をされたため、大学や大病院が競って看護師獲得に奔走をしました結果、地方都市の中小病院を中心に看護師不足を来していることであります。  とにかく、医療現場は医師不足に始まり、看護師不足、そして公立はもとより民間病院の多くが経営難にあえぎ始めておりまして、まさに医療現場は最大の危機に見舞われていると言っても過言ではありません。  そこで質問に入ります。  こうした実態に対し、これまでのドクターバンクなどの各種医師確保対策で解決可能と判断をしているのか。三重県が検討に入ろうとしている民間病院に勤務する臨床研修医を一時的に派遣する制度の導入や新たな対策を準備する必要があると私は考えますが、県当局の考え方を聞いておきたいと思います。  最後であります。地域医療におけます当面する問題と今後の対策であります。  今日、五百床以上を有する大病院は、医師確保の優位性を含めまして、収益面での改善余地をより持つ体質にある一方、今日まで地域において大きな役割を担ってきた二次医療、とりわけ病床数二百から三百の中堅病院は、さきに述べた理由などから強いダメージを受けているわけであります。  私の選挙区東海市には、二次医療を担当する総合病院は、市立が一、民間二、計三つありまして、それぞれの病床数は、百九十九、三百五、二百九十九となっております。ちなみに、お隣の知多市民病院のそれは三百で、いずれの病院もダメージを受けやすい規模と言えるわけであります。  そこで、実際に調査をしてみました市民病院と民間の一病院の実態でございますが、常勤の医師数が徐々に減少傾向をたどる一方で、非常勤での診療を余儀なくされ、この四月からは、市民病院の呼吸器科の医師二名と産婦人科一名の常勤医が引き揚げられる予定でありまして、仮にそうなれば、呼吸器科で常勤医師がゼロ、産婦人科は常勤医師が一名体制となります。  そして、次に、三百五床の民間の方はもっと深刻であります。消化器科三名の常勤医師が昨年、一年前の四月の引き揚げでゼロになっているほか、整形外科の三名の常勤医師全員がことしの四月に一挙に引き揚げられる予定であります。整形外科につきましては、非常勤医師のめども立っておらず、一日当たり八十から百人に及ぶ外来患者の対応すらできないという、休診という厳しい状況となるわけであります。  さらに、産婦人科医三名の常勤医も、ことしの一月に一名が引き揚げられ、残った二名も、どうもこの四月に引退や引き揚げの予定となっておりまして、病床があっても入院患者を受け入れられず、非常勤医師による外来患者中心の経営に追い込まれるなど、病院としての本来あるべき機能を果たせない実情になってきております。  こうした医師の引き揚げといった厳しい実態をこのまま放置するならば地域の医療が崩壊すると、このような認識に立ち、地域の医療は地域で守るしかない、こういう思いから、今、この地域では、行政や各病院のトップ、地場の企業などが一体となりまして、大学や医師会などを巻き込みつつ、何とか新しい地域医療体制をつくっていこうではないかと、このような動きが出始めているわけであります。  そこで質問であります。  これからの地域医療は、再編か共倒れという危険性をはらんでおりますが、今後出てくるでありましょう東海市のような地域医療の再編努力などに対しまして、具体的な支援措置を積極的にとっていくべきと私は考えておりますが、それに対する今後の県当局の方針を聞いて、私の質問を終わりにいたします。ありがとうございました。(拍手) 9: ◯総務部長今井秀明君) 指定管理者制度の導入に関してお答えいたします。  県といたしましては、民間事業者等が新たに指定管理者となった施設についての円滑な移行を最も懸念したところでございました。当初は、引き継ぎも含め初めてのことが多く苦労した面もありましたが、現在では業務にもなれ、おおむね円滑に管理運営が進められております。  また、公の施設という性格上、管理運営業務が確実に実施されているかという点が最も重要であり、協定書や仕様書に基づくチェックはもちろんのこと、必要に応じて現地調査を行うなど、施設が適切に運営されるよう指導、協力を行ってまいりました。  そうした中で、施設運営方法の改善策の提案や設備の老朽化に伴う要望など、さまざまな相談もなされておりまして、こうした運営上の課題につきましても、適宜適切に対応に努めているところであります。  制度導入後、まだ一年経過していないということもありますが、現時点では、ホール、会議室など個別の施設の利用率は、導入前と比較いたしまして、約六割以上の施設で上昇しておりますし、利用者アンケート等におきましても、全体的によい評価をいただいております。  コスト面での削減も図られたことなどを考慮しますと、総じて、指定管理者制度の目指す成果は上がっているものと受けとめております。  次に、市場化テストの導入についてでありますが、公共サービス改革法が昨年七月に施行され、その後、国の公共サービス改革基本方針が九月及び十二月に公表されました。それを踏まえて、これまで庁内において、実施の方法や対象となり得る業務の選定方法などについて、調査、検討を行ってまいりました。  その結果、官民競争の制度設計やその運用に当たっては、透明性、中立性、公平性を担保するために第三者委員会の設置が必要であること。また、対象となる事業については、広く民間の声を聞くのが望ましいこと。そして、本格導入に先立って、まず、モデル事業を実施し、その結果を検証することが必要だとの判断に至ったところでございます。  そこで、今後は、できるだけ早い時期に民間事業者等からの意見募集を実施するとともに、本年五月には、外部有識者等で構成する検討委員会を設置したいというふうに考えております。  そして、モデル事業を選定し、官民競争入札の手法など導入に向けた諸課題を検討の上、年内には入札を行い、平成二十年度からモデル事業を実施してまいりたいというふうに考えております。  以上でございます。 10: ◯建設部長藤井則義君) 指定管理者が行う業務委託についてお尋ねをいただきました。  初めに、愛知県都市整備協会は、県営都市公園のうち十の公園について管理を行っており、管理業務とする樹木の剪定や草刈り等の植物管理、園内の清掃及び各種施設の点検、管理のうち一部を専門業者に委託をいたしております。  このように、管理業務が多種多様に分かれておりますこと、また、公園自体が県内各地に点在していることなどから、議員御指摘のとおりの委託件数の多さになっております。  そうした中でも、巡回警備、清掃、浄化槽の保守点検等につきましては、名古屋市内にある複数の公園をまとめて業務委託いたしておりますし、また、同一基準で行う遊戯施設点検については、全公園を一括して業務委託いたしております。また、機械警備業務などについても複数年契約するなど、効率的な業務執行に努めているところでございます。  県といたしましては、今後とも公園管理業務のより一層の効率化に向けまして、都市整備協会を指導してまいりたいと考えております。  次に、愛知水と緑の公社が行っております県内八カ所の流域下水道の維持管理における業務委託についてでございます。  公社は、効率的に業務を行う観点から、平成十八年度より、保守運転業務について、流域下水道ごとの契約期間の満了に合わせまして、従来の二年契約を三年契約に変更しており、また、機器の設置など初期投資を行う場内警備業務につきましても、五年契約としたところであります。  こうした業務契約のあり方につきましては、複数年契約による経済性や業務の質の確保などを十分に見きわめながら、対象とする業務の範囲や期間などを検討する必要がございますので、県といたしましては、今後ともより一層効率的な運営管理が図られるように公社を指導してまいります。  以上であります。 11: ◯健康福祉部健康担当局長五十里明君) 愛知県の地域医療に関する御質問にお答えをいたします。  まず、医療制度改革の評価についてのお尋ねでございます。  今回の医療制度改革は、急速な少子・高齢化の進展の中で、医療制度を将来にわたり安定的で持続可能なものとしていくための改革であり、また、昨年六月の医療法の改正により、患者や住民の方々に医療機関の情報をわかりやすく提供してまいりますことや、がん、脳卒中などの生活習慣病に関して、発症から入院、そして在宅に復帰するまでの流れを明記するなど、患者本位の医療サービスの向上に取り組むこととされましたことは、評価できる部分もあろうかと思います。  しかしながら、介護療養病床の全廃や医療療養病床の削減などによりまして、県民の皆様の医療を受けられる機会の確保に支障が生じるおそれがございます。適切に対応することが必要である、このように認識をいたしております。  次に、医療計画の取り扱いについてのお尋ねでございます。  今回の医療法改正によりまして、がん、糖尿病などの四疾病と救急医療、小児医療などの五事業につきまして、医療連携体制の構築を目指し、医療計画を見直すこととされました。  本県では、前回の医療計画の見直しにおきまして、既に周産期医療や救急医療などにつきまして、医療連携体制を記載しているところでございますけれども、今回の見直しにおきましては、四疾病五事業すべてに対象を広げまして、県民の皆様の身近な地域におけるよりわかりやすい医療連携体制の構築を目指した計画づくりを推進してまいりたいと考えております。  次に、医師確保対策についてでございます。  県におきましては、医師不足への対策といたしまして、本年度から、ドクターバンクの実施、医師確保に関する委員会の開催などを内容といたします医師確保対策推進事業を実施いたしているところでございます。  来年度におきましては、ドクターバンクの一層の周知を図るとともに、医学部卒業後三年目以降に研修を受けております、いわゆる後期研修医などの医師不足病院への派遣方策につきましても、医師の確保に関する委員会で検討してまいりたい、このように考えております。  いずれにいたしましても、医師確保対策は、国、都道府県、関係機関が一体となって進めていくことが重要でありますことから、今度とも県としての対策を着実に実施してまいりますとともに、機会あるごとに国に対する働きかけを行ってまいりたいと考えております。  次に、地域医療の再編に対する県の対応についてでございます。  東海市民病院などにおける医師不足につきましては、私どもも十分承知をしておりまして、東海市が中心となって、地域医療のあり方について検討するための委員会を設置する予定と、このように伺っております。  県といたしましては、こうした地域医療の問題について検討する委員会などが設けられました場合には、関係職員を派遣し、市の枠にとどまらず、医療圏域における医療機関の連携などの視点から助言してまいりたいと考えております。  以上でございます。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 12: ◯四十番(田辺克宏君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 13: ◯議長内田康宏君) 田辺克宏議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 14: ◯議長内田康宏君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午前十一時十八分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後一時開議 15: ◯副議長小久保三夫君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  佐宗靖広議員。     〔六十三番佐宗靖広君登壇〕(拍手) 16: ◯六十三番(佐宗靖広君) 通告に従い質問させていただきます。  私の質問も、この壇上からはこれが最後でございます。その意味でも、今回は、格別品位を重んじて進めてまいりますゆえ、理事者各位の誠意ある答弁を願うものであります。  質問の第一は、本県における優秀な教員の確保についてであります。  私は、これまでに幾度となく、優秀で多様な教員の確保といった観点から、教員採用選考のあり方について質問をしてまいりました。  知識の量の多い者や記憶力のよい者のみが合格しやすい選考方法ではなく、教育実習や学生時代のクラブ活動、ボランティア活動に熱心に取り組んだ者、スポーツ等の競技歴においてすぐれた実績を有する者、あるいはすぐれた英語力を有する者、講師経験が豊かで指導力がすぐれている者等の採用など、機会あるごとに採用選考の工夫改善の必要性を訴えてきました。  そのたびに申し上げていることでありますが、教育は人なりと言われておりますように、学校教育の成否は、児童生徒の教育に直接携わる教員の資質、能力に負うところが非常に大きいと思うものであります。すぐれた能力を持つ教員であるからこそ、子供たちに夢を与え、学ぶ意欲を引き出し、その能力を大きく伸ばすことができると考えます。  教員としての資質、能力、使命感、意欲や情熱、指導力を適切に見きわめ、さまざまな資質や経験を持つ多様な人材を教員として確保していくことがよりよい教育を実現していくためには欠かすことができないものと考えます。  採用後の資質向上への対策は当然必要でありますが、まず、採用の時点で優秀な教員を確保していくことが何より重要であります。  学校現場では、今もなお、いじめ、不登校や暴力問題などが後を絶ちません。こうした状況は全国的な問題であり、現在、政府の教育再生会議においてもさまざまな議論がなされております。あらゆる手だてを総動員し、魅力的で尊敬できる先生を育てるため、教員の採用については、社会の多様な分野からのすぐれた人材の積極的採用や不適格教員を教壇に立たせない。教員養成、採用、研修、評価、分限の一体的改革にも言及されております。  言葉こそ違いますが、私もこれまで同趣旨の質問をしてまいりました。どんな人間になりたいかを学習していく場である学校に、学歴重視ではない、また違った価値観でとらえた個性豊かな、一人はいてほしい寅さんのような先生の誕生や初任者研修のあり方、適正な評価による条件つき採用制度の見直しなどであります。  県教育委員会におかれては、これまで優秀な教員を確保するため、講師経験者や現職教員を対象とした特別選考を導入し、経験豊かな即戦力教員の採用を進めたり、個人面接の試験委員にPTA関係者等の民間人を起用し、より多面的な選考に努められるなど、採用選考の工夫改善を講じておられます。  また一方で、指導力に問題のある教員への研修制度を確立される等、一定の評価はいたすものであります。  しかしながら、学校現場の現状や今後十年間で四〇%が入れかわると言われる、いわゆる団塊の世代の教員の大量退職に伴い、今後、しばらくの間は大量の採用が必要となるという状況からも、さらなる取り組みを行う必要があると考えます。  近年、本県でもそうでありますが、全国的に大都市部を中心に教員の採用数が増加傾向にあります。教員志願者を取り合う競争の時代になっていると言えるのではないでしょうか。  他府県においては、教員需要が少ない地域の大学に協力要請を行ったり、他県に出向いて選考試験を行っているところもあるやに聞いております。  また、大量採用になりますと、競争率の低下に伴う質的な低下も懸念されます。多くの受験者の中から選考していたときと比べ、これまでは合格しなかったレベルの者を採用せざるを得なくなり、教職に対する意欲や情熱、教師としての使命感が希薄な者が採用されるという懸念があることは否めません。  さらに、現在の教員の年齢構成を見てみますと、五十歳代が四〇%強、これに四十歳代を加えますと、その割合は実に七〇%を超えることになり、いわゆる高齢化の現象になっております。こうした状況は、将来の愛知の教育に少なからず影響を与えるものと思わずにはいられません。  折しも、さきの知事選において、神田知事は、少人数学級の正規教員での拡充を公約されました。今後の多くの優秀な教員の確保と教員の年齢構成の是正は、将来の愛知の教育のために必ずなし遂げなければならない重要な課題であると思うものであります。  そこで、教育長にお伺いいたします。  優秀な教員を数多く採用するには、大勢の受験者の中からよりすぐれた者を選考する必要があります。受験者確保の手だてを含め、どのような工夫改善を考えておられるのか、今後の教員採用選考のあり方についてのお考えをお聞かせください。  また、指導力等に問題のある教員を含め、教員の資質向上についての対策もあわせてお示しください。  質問の第二は、奥三河地域における地方機関の見直しについてであります。  昨年の十二月議会において、知事は、平成二十年度から新しい体制をスタートさせたいと明言されました。これに先立つ六月議会の我が党の代表質問には、平成十九年度にこだわることなく、腰を据えて検討を深めると答弁されております。わずか半年間で実施年度を明確にされたということは、よほど慎重かつ十分な分析、検証が行われた再編案ができつつあるのではないかと私は大きな期待を持って見守っているところであります。  さて、私は、神田県政三期目の最大の課題は、元気だと言われている愛知の力を県内の隅々にまで広めていく、行き渡らせることにあると考えております。  わけても、奥三河地域に対する振興策のあり方こそがこれからの愛知の総合力のアップに欠くことのできないテーマであると考えるものであります。  ご承知のとおり、奥三河地域は、いわゆる山間過疎地域であり、県内の平野部とは状況が異なり、財政運営の厳しい市町村ばかりであります。  地方分権がさらに進展した場合にあっても、地理的条件や林業を初めとする主要産業の停滞、人口流出による過疎化などから、引き続き国、県の積極的な支援を必要としている地域であります。  このような中で、これから本格化する設楽ダムの建設や第二東名、三遠南信へのアクセス道路の整備、森林保全、情報通信基盤の整備、医師不足問題など、この地域にはいまだ県政の重要課題が山積しております。  ところが、五年前までは、新城以北の、いわゆる奥三河地域に三人いた県議会議員がこの四月からは一人だけになってしまいます。その上、合理化、広域化の名のもと、地方機関が統合されてしまえば、奥三河はまさしく県政の空洞化地帯になりかねません。このままでは県とのつながりも希薄となり、住民の意見が県に届かない地域になってしまうのではないかという現実的な不安を最近よく耳にするようになりました。この地域にとっては、今こそ地方機関の役割がこれまでにも増して重要になっていると思うのであります。  私は、県の地方機関を平面的、画一的に配置する必要はなく、地域の実情やその果たすべき役割に応じた柔軟性のある組織として設置されるべきであると考えます。  こうした考えのもとで、昨年十二月には、地元市町村長から神田知事に直接奥三河山間振興局構想についての要望書が提出されております。私は、山間地域の振興には、知事の強いリーダーシップと同時に、現場にもよりすぐれた指揮官が必要だと思うのであります。  県議会としても、三河山間地域の振興についての決議を昨年の九月議会において全会一致で可決し、総合的な振興策と抜本的な過疎対策に全力で取り組むことを強く要請しているところであります。
     私は、過疎対策には、ただ単に過疎を食いとめるだけの受け身の政策ではなく、産業を育て、新たな雇用を生み出し、そこに人々が生活を営むことで、いずれは愛知のアキレス腱から脱却して、大愛知の発展の一翼を担う地域に転換させるという、まさに攻めの行政が不可欠であると考えるのであります。そのための現場の最前線基地として奥三河山間振興局構想があるのであります。  確かに、効率性やスリム化という視点も必要でしょう。しかし、県民あっての愛知県であり、数は少ないながらも奥三河が今の愛知を形づくっている一員であることに何ら変わりはないはずであります。  人口が少ないから見捨ててしまうという姿勢ではなく、県土の五分の一を占める広大な面積を活用して、団塊の世代を初めとする豊富な人材や全国に誇り得る愛知の技術力を駆使し、将来の発展に向けた積極的な投資こそが必要なのではないでしょうか。  そして、県が奥三河地方に対し、山を守るんだという強いメッセージを出すことが高齢化の進んだ奥三河地域の住民にも生きる希望を与えることになり、ひいてはそれが愛知の総合力アップにつながるのだと考えるのは間違っているのでしょうか。  また、さきの知事選挙の結果を見ますと、神田知事の得票率が高かった地域は周辺郡部であり、年齢層では六十歳以上の高齢者という分析がなされております。  とりわけ、高齢化の著しい北設楽郡の三町村では、いずれも知事のお地元一宮市の得票率をはるかに上回る数字を示しております。この結果は何を意味しているのでしょうか。神田さんなら必ずやってくれる、山間地域に光の当たる県政をきっと進めてくれるはずという信頼と期待をみずからの一票に託したあらわれだと私は考えております。  奥三河を何とかせにゃいかん。私は、この十二年間、その思い一筋に活動してまいりました。この間、先輩、同僚の議員皆様はもとより、理事者各位にも温かい御指導、御協力をいただき、私自身がそれにどれだけ励まされてきたことか。振り返るたびに胸が熱くなってまいります。ですから、今の私の思い、私の叫びを皆様方は必ずや受けとめていただけるものと確信いたしております。  そこでお尋ねいたします。  奥三河地域の置かれている厳しい状況を踏まえ、設楽ダム建設や山間地域振興策を初めとする奥三河の諸課題に集中的に取り組むために、地方機関の見直しに当たって、地元にある県の地方機関をすべて存続させるとともに、これらを統括する組織として、例えば奥三河山間振興局を新たに設置し、局長には調整能力のある幹部職員を配置することについてどのように考えておられるのか、お伺いいたします。  以上で壇上からの質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) 17: ◯教育長伊藤敏雄君) 優秀な教員の確保に関しまして、二点の御質問をいただきました。お答えをいたします。  まず、今後の教員採用選考のあり方についてでございます。  いわゆる団塊の世代の大量退職とそれに伴う教員の年齢バランスの是正や今日的教育課題を踏まえた優秀な教員の採用は、喫緊の課題と認識をいたしております。  これまでも中長期的な観点からの採用を行ってきたところでありますし、御質問にもありましたように、講師等の教職経験を評価した採用を導入するなど、採用方法の改善に努めてきたところでございます。  今後も、こうした考え方のもとに、積極的に採用選考を改善していく所存でございまして、来年度の教員採用選考試験におきましては、新たに民間企業での経験や特定の分野におけるすぐれた能力や多様な経験を持つ方を評価する社会人特別選考や、外国人児童生徒の増加が著しい本県の実態を考慮し、ポルトガル語、スペイン語や中国語に堪能な方の能力を評価する選考を導入することといたしております。  また、年齢構成の是正や志願者増のための対策といたしましては、受験資格を現在の四十歳未満から四十五歳未満まで五歳引き上げるほか、今年度初めて、東京、大阪で実施をいたしました受験説明会を北陸地区へも拡大するとともに、県内におきましては、これまでの大学単位での説明会から、広く教員志望の方を対象とした説明会を新たに開催することとしております。  引き続き、採用選考のさらなる工夫改善を行いつつ、教員養成大学とも緊密な連携を図りながら、意欲ある優秀な教員の確保に努めてまいりたいと考えております。  次に、教員の資質向上への対策についてでございます。  採用後の資質、能力の向上もまた重要な課題でありまして、それぞれの経験や教科などに応じたさまざまな研修に加え、今年度からは、指導実績のある教員経験者や大学教授等の授業名人を学校で継続的に活用することにより、教員の授業力の向上を目指した研修を始めたほか、若い世代の教員が実践的な授業力を身につけるため、すぐれた指導方法などを研究し、実践に生かすあいち授業塾を創設したところでございます。  さらに、来年度計画をいたしております子供たちの基礎学力の定着を目指して、教員志望の学生などを学校現場で学習支援に当たらせる学習チューター制度も、将来のすぐれた教員の確保につながればと思っております。  また、指導力等に問題のある教員に対しましては、従来の総合教育センターにおける指導力向上研修制度の厳格な運用を図るほか、何らかの課題を有する教員につきましては、管理職等の指導のもと、その実態に合わせた校内研修の実施を義務づけたところでございます。  いずれにいたしましても、教員の資質向上は大変重要と認識をいたしておりますので、こうした取り組みを通して、指導力不足教員の解消や資質能力の向上に一層努めてまいりたいと考えております。 18: ◯知事神田真秋君) 地方機関のありようについて、私の考え方を申し上げたいと思います。  御指摘をいただきました三河山間地域でございますが、森林保全を通した水資源の涵養や土砂災害の防止あるいは環境保全など、極めて大きな公益的機能を有しております。その意味では、県民の皆様方やら県土全体が大きな恩恵を受けていると、このように言っても間違いではないと思います。  一方で、この地域は過疎や高齢化が著しく進展をしております。したがいまして、産業振興を初め雇用、教育、情報、医療あるいは福祉など、さまざま困難な課題を抱えていらっしゃるわけであります。  そうした実情を考えますと、この山間地域の振興というのは、県政にとりましても大変重要な課題であると認識をいたしております。  こうした中で、山間地域の地方機関はどうあるべきかということでございますが、これまで、地域の実情に対応して、地元の身近なニーズにしっかりお答えをするなど、一定の役割を果たしてきたものと思っております。  このことから、現在設置されております地方機関につきましては、地元の皆様方の利便性や現状のサービス水準を引き続き維持できるよう、必要な機能を確保してまいりたいと考えております。  ところで、地方機関を統括する組織や幹部職員を現地に置くという、先ほど御提案のありました奥三河山間振興局という提案でございますけれども、これにつきましては、大変複雑で広範多岐にわたりますさまざまな課題、これをこれから総合調整していくということを考えますと、現地で行うということはいろんな問題がございまして、困難さも伴います。したがいまして、なかなか難しい、これは課題であろうと考えております。  そこで、御提案の趣旨を実現するためにはどうしたらいいかということでございますが、私は、本庁の組織体制を充実強化いたしまして、現地との連携を一層緊密にしていく必要があると、そのように思っております。  そのためには、例えばでございますけれども、本庁に山村振興にかかわる専門の組織を置くことや、あるいは関係部局長で構成する全庁横断的な山村振興推進本部を新たに設置するなど、こうしたものを通じて総合調整を行うと、こういうことで趣旨が実現できるのではないかと思っております。  もちろん、これは一つの考え方でございまして、これから、どういう形がいいのか、よくよく組織体制を吟味していかなければならないと思っているところでございますが、山間地域の振興を総合的、一元的にこれから進めていくための組織に工夫を凝らすことが必要だと今現在考えているところでございます。 19: ◯六十三番(佐宗靖広君) 二、三要望をさせていただきたいと思います。  まず、教育委員会の関係ですが、十の施策より一人の優秀な教員という言葉もございます。以前にも申し上げましたが、学校における教員の立場というものは山よりも高い存在であってほしい、私は今でもそう思っております。  これからの学校を単に子供を教育する場ではなく、子供たちがどんな人間になりたいか、自分が将来どんな人間になっていこうか、そういうことを学習する場にしていくためには、より個性豊かな優秀な人材を確保していかなければならないと思うわけであります。  その上、今にも増して、教員の資質あるいは能力を高めていくことがより一層強く求められることになろうと思うものであります。子供たちや保護者から信頼され、より魅力ある教師の誕生を期待するとともに、県下の児童生徒が、学校は楽しい、学校は楽しい、素直に言える学校づくりをぜひお願いしたいと思います。  個性豊かといえば、以前質問で、寅さんのような先生、これは渥美清が演じましたフーテンの寅さんのことでありますけども。こういう先生が少しはいてもいいんではないかと、これは今でも私は思っております。なぜなら、子供たちの心の安全弁になり得ると思うからであります。  今の子供はキレやすいといいます。それは、すべての子供が勉強が好きなわけじゃないんです。勉強が不得手な子供も大勢いるんです。そんな子に、学校でも、またうちへ帰って親にも、勉強しろ、勉強しろと言われ続けたら、どうなると思いますか。必ずキレてしまうんです。そんなとき、寅さん先生がいて、勉強なんていいんだよ、こう一声かけてくれたら、その子は救われます。救われるだけじゃないんです。一たん気持ちが楽になれば、かえって勉強しようという気になれるものだと私は思います。  誤解されては困りますが、私は決して勉強しなくていいと、こう言っているわけではありません。いわゆる勉強というのは本人がやる気にならなければ、どんな立派な先生が、どんな優秀な先生がどんな教え方をしてくれても覚わるものではありません。それは、私が子供時代に十二分に経験したことであります。昔いたという、以前に一般質問で申し上げました、いわゆるチンピラ先生のことは今日は申し上げません。また、再度物議を醸したくありませんから申し上げません。  質問の冒頭に言いましたように、今日は格別品位を重んじてやらしていただくと、こう覚悟を決めております。そういうことでありますから、どうか教員の採用試験に当たっては、先ほど教育長答弁されましたように、工夫を凝らして、より優秀な教員を採用していただくように強く要望しておきます。  次に、山間地域における地方機関の見直しについてであります。  限界集落という言葉を御存じでしょうか。これは、過疎化などで人口の五〇%以上が六十五歳以上の高齢者となり、生活道路の管理や冠婚葬祭など、社会的共同生活の維持が困難となった集落のことでありまして、やがて消滅に向かうとされているところのことであります。  奥三河山間地域では、過疎化や高齢化により、伝統行事である花祭りが開催できない集落が出てくるなど、まさに限界集落化が切実な問題となってきております。  こうした課題を解消し、山間地域の人々が元気に安心して暮らしていける環境を整備するためには、県の積極的な振興策の展開が不可欠であり、それと同時に、振興策を強力に推進していくための組織の強化が極めて重要であることは、ただいまの答弁の中ではっきりと示していただきました。  奥三河地域には、まさに財政力の脆弱な市町村ばかりでありますゆえに、どうか山間地域に住む人たちが元気に安心して暮らしていけるように、また、奥三河の市町村にも勇気を与えていただけますように、地方機関の見直しに当たっては、知事の強いリーダーシップのもと、強力に推進していただきたい、強く要望するものであります。  先ほどの知事の答弁をしっかりと胸に秘めまして、私はこの本会議場から去る覚悟でございます。よろしく要望をして終わります。ありがとうございました。 20: ◯副議長小久保三夫君) 進行いたします。  黒川節男議員。     〔七十二番黒川節男君登壇〕(拍手) 21: ◯七十二番(黒川節男君) 通告に従い順次質問をしてまいります。  市民、県民から寄せられる多くの政治への願いや期待は、市町村政、県政あるいは国政の枠の中に寄せられているのではなく、地域住民の政治的課題を解決さえしてくれるならば、それが市町村政であれ、県政であれ、国政であれ、何も不都合は感じないものです。  例えば道路をつくってほしいとの要求があり、それを満たすためにつくられた道路が、国がつくる国道であれ、県がつくる県道であれ、市町村が整備する市町村道であれ、道路を利用する地域住民から見るならば、道路が整備されたことに対し感激をし、感謝をする。ただそれだけのことなのです。  福祉や教育に関しても同じことが言えます。利用されている住民の皆様が満足さえしておられるならば、国、県、市町村の役割など何も問題にならないものです。  しかし、近年、国が行ってきた行財政改革に伴う社会保障改革を初めとするさまざまな名前だけの改革は、地方自治体間の格差拡大だけでなく、地域住民にとって所得格差以上に生活格差という形となって大きく広がっているなど深刻な影響が出ています。  私は、国の政治の基本的な動向は、統計やデータに基づいて優秀な官僚が机上の論理に基づいて紙と鉛筆でつくり上げる制度政策であり、紙と鉛筆の政治であると思います。そして、この方向性は今後ますます強くなると考えています。  私は、国全体のことを視野に入れるならば、これがすべて間違いだとは思いません。しかし、大きな弱点があります。それは、生活感のない冷たい政治になる可能性が強いからです。割り切って考えるならば、国の政治は紙と鉛筆で机上の論理によってつくり上げられる冷たい政治であり、それの対抗軸あるいは国の冷たい政治を補う意味からも、地方政治は、地域の特性を生かした生活感がにじみ出る汗と涙による温かい政治を目指す必要が求められています。  この国の政治と地方の政治のほどよいバランスの中で地域住民の生活が守られていくものであると私は考えています。だからこそ、地方政治は国に追随するのではなく、地域住民の生活に根差した肌感覚が感じられる政治でなくてはならないのです。  今日、国会論議の中で格差社会の広がりが大きくクローズアップされています。しかし、政府は、この格差社会の広がりを余り認めようとしていないようです。  そこで、最初に、格差社会の一つである県内の地域間格差、特に所得の格差問題について質問をしてまいります。  今を越え、さらに世界に輝く愛知づくりと題して発表された本県の新しい政策方針では、県内における格差社会の一つである地域間格差について、地域活力のアンバランスの拡がりと題して、成長著しい産業が集積している地域がある一方、既存産業が衰退傾向にありながら産業構造の転換が図られていない地域や新規産業の集積が進まない地域、さらには、人口減少、超高齢化が進行する三河山間地域があり、県内の地域間での活力の差が一層拡大しつつある。こうした中で、地域間のバランスのとれた発展を図る地域づくりが一層重要になっていくと記されています。  確かに、人口一人当たりの市町村民所得を見てみましても、名古屋市東部地域から三河西部地域にかけての県中心部では所得水準が高く、中心部から離れ、東西県境に向かうほど所得水準が低い傾向があらわれています。  そして、この地域間格差を解消していくために、バランスある発展のための産業立地戦略と題して、県内各地が活力を保ち、自立していくためには、産業用地の偏在を解消し、各地域の特性、ポテンシャルを生かした産業展開を図ることが重要である。このため、本県経済の活性化、県土の有効利用、地域バランスなどの観点から、県内各地を対象に極めて開発効果の高い地域、基幹道路のインターチェンジや空港、港湾など、高度な交通基盤に近接した地域などに焦点を合わせて、計画的かつ秩序ある土地利用を図りながら、産業用地開発を推進するとしています。  特に、尾張西部、海部・津島地域について、広域的な交通利便性や大都市、港湾との近接性といった産業適地としてのポテンシャルが高いにもかかわらず、産業用地不足がネックになり、産業構造の転換が進んでいないとしています。  確かに、この地域は繊維関連産業が中心となり、戦後の地域経済を支えてまいりました。町のあちらこちらで中小の工場や家内工業的に機織りの音が鳴り響いていました。  しかし、この繊維産業の衰退とともに工場閉鎖が相次いだのです。そして、多くの閉鎖工場が住宅地域に隣接していたために、産業構造の転換による工場の再建の道を選ぶことがなく、商業地や住宅地に変化していく中で、従来から存在していた雇用の場が失われていったのです。そして、今日では、地域内で新たに雇用の場を確保することさえ難しくなっています。  統計的に見てみましても、県内における工場立地面積の割合では、二〇〇〇年から二〇〇五年の上半期、海部・津島地域ではわずか三・四%、尾張西部地域は六・四%にすぎません。合わせて一〇%にも満たないのです。  そして、公の機関、公的主体による工場用地整備面積の県内での割合は、一九八四年から二〇〇五年上半期、尾張西部地域ではわずか一%、海部・津島地域では、驚くなかれ、ゼロ%です。これでは、地域間での産業格差、雇用格差が生まれるのは当然であり、悪く言うならば、意図的に地域間格差を生み出してしまったのです。  その結果、今では三重県方向や西三河方面に雇用の場を求める人は少なくありません。そして、家庭を職場近くに新たに持つ人が増え続け、一人っ子の人でさえ、ふるさとに帰ってこない人が多くなっているのが現状です。寂しい限り、これがこの地域に住むお年寄りの肌感覚です。  これも、知事が言う有効求人倍率一・九を超え、全国に突出した高水準を維持している今日の物づくり愛知、元気な愛知の一面なのです。  そこで伺います。  質問の一です。  格差社会という言葉がありますが、本県の新しい政策指針では、県内における地域間での活力の差が一層拡大しつつあるとしていますが、格差社会についてどのような認識をお持ちでしょうか、伺います。  特に、県内の産業格差、雇用格差についてどのような認識をお持ちか、お伺いをいたします。  質問の二です。  海部、津島及び尾張西部地域などについて、産業適地のポテンシャルが高いとしながらも、産業用地の不足がネックになり、産業構造の転換が進んでいないとしていますが、私がこの質問の中でも指摘したとおり、公がこの地域で産業用地を整備した比率は、愛知県全体の中でわずか一%にすぎないのです。これでは産業用地が不足するのは当然です。話になりません。どうしてこのような状態になってしまったのか、また、原因はどこにあるのか、お伺いをいたします。  質問の三です。  私は、地域の活性化の問題は、基本的に土地利用計画の問題であると考えています。私自身、名古屋市内から海部・津島地域への工場移転の相談を何度か受けましたけれども、農業地域との制約の中で移転することができず、結局は、三重県地域に移転せざるを得ない経験を何度も味わいました。  そこで伺いますが、農業振興整備事業などを行い、農地を守るためにと農業以外の土地利用に制約を加えています。農業の近代化と称し、機械化し、どんなに合理化しても、総体的に農業収益がふえるわけではありません。農業に従事する時間が少なくなり、他に収入を得る道が開けるだけです。  しかし、この地域では就業する場所のない現実に、農家自身が、この地域では生活が厳しいと農地を捨て、耕作放置地がふえ続けるとともに、業者などに貸し出しを行い、至るところでさまざまな問題が発生している現実。これは、農業振興策を主体とした今日までの地域政策そのものの限界を示していると私は思いますが、どのように認識されておられるのか、お伺いいたします。  質問の四です。  バランスある発展のための産業立地戦略の中で、土地利用の計画を総合的に見直しながら、新たな産業用地を確保し、企業立地を図る仕組みを市町村と一体となって構築していくとしていますが、具体的には、市町村の総合計画や都市計画、そして、今日まで行われている農業振興地域整備計画の見直しなども必要になるわけです。  この複雑な現状の中で、土地利用計画の総合的な見直しを行い、公が主体となり、産業用地を整備していかない限り、この問題は解決しないと思いますが、今後どのようなスケジュールで進めようとされておられるのか、あわせて、県と市町村の連携強化についてはどのように進められていかれるのか、お伺いをいたします。  私は、三河山間部については、自然災害防止や水源涵養機能など、森林が持つ多面的機能を維持していくために思い切った直接的な公的負担が必要であると思いますし、海部・津島地域及び尾張西部地域は、産業を息づかせることによって、地域が主体的に地域力を高めることが大切であると思います。この方向性は新しい政策指針の中に記されていますから、あとは具体的に実践するだけです。  知事は、神田県政三期目のスタートに当たり、政治や行政の責任は、最後までやり遂げ、結果を出すことです、これがなければ空疎なものになると述べられています。この発言は非常に重いものです。  次に、稲沢市平和町地内にある廃墟になっている旧トーヨーボールの問題について伺ってまいります。  この旧トーヨーボールは、ホテルニュージャパンの社長であった横井英樹氏が経営をしていたボーリング場で、当時は、東洋最大のボーリング場として昭和四十五年ごろにオープンいたしました。  しかし、十年ほど前から廃墟となり、現在では、窓ガラスも割れ、天井も落ち、非常に危険な状態に陥っているために、地域の住民からは、早く解体してほしいとの声が上がり、稲沢市と愛西市の市民で組織された団体から、稲沢市や県に対してさまざまな要望がなされているところです。しかし、県は、所有者責任の原則に立っているために、その所有者が確定されてこなかった今日、有効な解決策を見出せないまま現在に至っています。  この旧トーヨーボールは、平成十七年に整理回収機構の差し押さえ物件となり、競売開始が決定されたのにもかかわらず、平成十八年三月に第三者に転売され、県に解体届が提出されました。しかし、裁判所はこれを認めず、保全命令が出され、解体にストップがかけられました。その後、昨年の七月に競売で落札されたものの、入金がなく不成立。そして、十二月に二度目の競売を行い、この二月に入金の予定であったものの、入金がなく不成立になったようです。  これは、旧トーヨーボールには大量にアスベストが使用され、それが劣化していると言われ、購入して解体するにしても、裁判所が旧トーヨーボール内部の調査を認めないために、どの程度の解体費用が必要なのか見当がつきません。したがって、正確な事業計画を作成することができず、銀行からの融資が受けられないからだとも言われています。  昨年の十月と十一月に、県と稲沢市がそれぞれに旧トーヨーボールのアスベストの飛散状況について周辺調査をされています。両調査とも法の範囲内であったために、県は、アスベストの飛散がないと判断を示されました。  しかし、調査する時点の天候や場所の違いによるところもあります。心配した地域住民は、東京の中皮腫・じん肺・アスベストセンターに調査を依頼したところ、室内のアスベスト汚染状況は想像を絶するものであり、解体工事時には相当の注意を要するとの指摘がされました。そして、最も驚いたことは、建物の内部には落書きなどがあり、最近まで人が出入りしていた形跡があったこととの指摘がなされています。  県は、アスベストの飛散防止対策を初め建物への立入禁止措置などの管理責任は、建物の管理者または所有者が行うべきであるとの基本的立場から、稲沢市とともに建物の管理者に対し、建物内への侵入を防ぐために囲いなどを設けるように指導するとともに、立入禁止の立て看板を設置しています。  ここで伺いますが、このよい子はここで遊ばないとの立て看板では、一般的な廃墟化した建造物に対しての注意看板であって、アスベストの危険性が大きな社会問題になっている今日、余りにも行政の危機意識が薄いことにあきれたと地域の住民が指摘し、不信感が生まれている現状に対してどのような認識をお持ちか、伺います。  質問の二です。  県は、所有者が確定したならば、解体工事を行う業者に対して、大気汚染防止法などの関連法令の遵守を指導するとしていますが、関係法令を守るのは当たり前のことであり、私は、このようなことをわざわざ指導する問題はないと思います。  行政が行わなくてはならないことは、地域住民の安心・安全の立場に立って、解体業者を指導することにあります。そのためには、旧トーヨーボールの状態が外観、そして内部の状況がどのような形で、どのぐらい大量にアスベストが堆積しているか、そして、現在はどのような状況になっているのか。県自身が把握をしていなければ、解体業者に対して適切な指導を行うことが難しいばかりか、心配をしている地域住民に対して信頼される説明責任を果たすことができないのではと思うのですが、県は、旧トーヨーボール内部の状況についてどのように把握されているのか、お伺いをいたします。  質問の三です。  地域住民にしてみれば、危険なアスベストを大量に内包した崩壊寸前である危険な建物を安全に解体して早く撤去していただき、安心して暮らせる社会環境をつくってほしいとの素朴な願いだけです。この願いをかなえてくれるならば、それが民間であれ、整理回収機構であれ、国政であれ、県政であれ、市町村政であれ、かかわりないことです。  しかし、県の基本的な認識は所有者責任です。これでは、所有者が決まらなければ解決の方向さえ見出すことができません。  今日の状況では、危険な建物はこのまま放置され続けることになる可能性をはらんでいます。そして、地震などで崩壊すれば大量のアスベストが拡散し、地域住民の命にかかわります。
     安心・安全が県政の基本であることをよく耳にします。これは、治安や防災だけの問題ではありません。これらの問題も含めて、安心・安全な県政でなくてはならないと思いますが、御所見をお伺いし、壇上からの質問を終わります。ありがとうございました。(拍手) 22: ◯産業労働部長(平野洋君) 格差社会に対する認識、とりわけ産業面、雇用面におきます地域格差に関する認識についてのお尋ねでございます。  まずは、地域間の格差という観点での格差社会につきましては、特定の指標ではなく地域の環境や条件を勘案しつつ、さまざまな指標を総合的に用いる必要があると考えております。  そうした中で、元気な愛知の総合力を県内の隅々にまで押し広げまして、県民の皆様に享受していただけますよう、県政各般にわたって、できるだけ平準化を図る取り組みをしていくことが行政の役割である、かように認識をいたしてございます。  御指摘の産業格差につきましては、例えば本県の地域経済にとって重要な役割をかつては繊維産業が担い、現在は自動車産業がその役割を担っておりますように、時代により主力となります産業分野が移り変わりますとともに、地域に集積しております産業分野が異なっているということによりまして、相対的に地域経済の活力に差が生じているということであります。  県といたしましては、今年度から検討に着手いたしております新たな産業用地の確保のあり方及び産業立地展開の方向の具体的な検討を本格的に進めますとともに、次世代産業の誘致を図りながら、県内の既存産業とか地域の特性を十分に踏まえまして、活力ができる限り全県域に及ぶよう産業集積の展開を図ってまいりたいと考えているところでございます。  また、雇用に関する格差につきましては、正規の雇用と非正規の雇用によります所得、雇用条件等に差が見受けられます一方で、平成十九年一月現在の有効求人倍率におきましては、全国平均の一・〇六倍に対しまして、本県は倍近い一・九四倍と全国一の高い水準にあるわけでございまして、就職の機会の多い少ない、多寡という観点におきましては、県全体としては大変恵まれていると、こういう状況にあるわけでございます。  しかしながら、県内の各地域を見ますと、有効求人倍率は地域ごとにその数値にばらつきがあるということも事実でございます。  このため、県全体の活力を県民の皆様に享受していただけますよう、多様な就業の場を各地域につくり出すことが重要であります。そういった観点で、そのもととなりパワーとなります企業誘致や新しい産業の創出などの産業振興に一層の取り組みを進めてまいりたいと存ずるところでございます。 23: ◯地域振興部長(渡邉俊司君) 県内の地域間格差についてのお尋ねのうち、尾張西部及び海部地域などの産業用地の公的な整備面積が他の地域に比べ小さいことの原因についてでございます。  県企業庁などによる内陸における公的用地開発は、これまで、その多くの部分が丘陵地の造成を中心に行われてまいりました。これは、丘陵部の山林が平たん部の農地と比較いたしまして、一筆当たりの面積が大きく、地価も安いため、大規模な用地造成を効率的に行いやすかったことによるものと考えられます。そうした中で、尾張西部及び海部地域は丘陵地帯がほとんどないという地形にあり、こうした地形条件が産業用地開発が少なかった一つの理由と考えられます。  また、尾張西部及び海部地域などでは、開発適地のほとんどが農地であることから、産業用地開発を行うには農業的土地利用との調整が必要になること、大都市近郊のため、地価が相対的に高いこと、さらに、土地が細分化されているため、地権者の合意を得る際にも、関係地権者の中に少数でも反対があれば、まとまった用地の確保が難しいといったことも原因となっていると考えられます。  次に、政策の指針に盛り込まれた土地利用の計画を総合的に見直しながら、新たな産業用地を確保し、企業立地を図る仕組みの構築についてのお尋ねでございます。  本県では、政策の指針を踏まえ、今年度、関係部局横断的な新産業用地開発手法検討チームを設置いたしまして、尾張西部、海部地域における産業用地の開発手法の検討を進めております。  検討チームでは、地元に開発の動きがある幾つかの地区をモデルケースとして、土地改良事業における非農用地の設定や都市計画法に基づく地区計画の策定など、さまざまアイデアを総合的に検討しております。  こうした検討の成果が個別法の土地利用計画の見直しに至るまでには、関係する地権者の合意形成やこれまで実施された農業投資に関する国庫補助金の取り扱いなど、地区によりそれぞれ難しい課題がございますので、現段階で土地利用計画の見直しの具体的なスケジュールの見通しは申し上げられませんが、できるだけ早期に進むよう努めてまいりたいと存じます。  検討地区につきましては、市町村の取り組み状況を踏まえて、今後順次ふやしていくこととしておりまして、地域の実情に応じたさまざまなタイプの開発手法を検討してまいりたいと存じております。  用地開発では、地権者の意向が極めて重要でありまして、市町村の積極的な取り組みなしには進みません。検討チームでは、チームの構成員が現地を実地調査するとともに、関係市町村の職員と意見交換をするなどして開発手法を検討しておりますが、こうした進め方によりまして、市町村との連携をしっかり図ってまいりたいと存じております。  以上です。 24: ◯農林水産部長(小出義光君) 農地の農業以外への利用についてでございます。  農業地域として保全し、農業に関する公共投資などを計画的に推進することといたしております農業振興地域内の農地につきましては、土地改良事業施行後、一定期間、他用途への転用が原則として制限されたり、また、転用に当たっては一定の要件が必要とされるなど、農業振興地域の整備に関する法律や農地法によりまして、農地の保全が図られているところでございます。  したがいまして、農地の産業用地等への利用につきましては、その必要性や他の農地の利用に与える影響など、法に基づく要件を満たしているか、また、市町村計画との整合性や他法令の許可見込みなども総合的に判断し、適切に対応しているところでございます。  また、農地は、食料生産の場のみならず、洪水防止を初めとした多面的機能を有しておりますので、その保全と農業の振興を図ることは引き続き必要と考えており、耕作放棄地につきましても、担い手への利用集積を図るなど、その防止に努めているところでございます。 25: ◯環境部長(林清比古君) 旧トーヨーボールの問題についての御質問のうち、まず、立て看板の表示に関連して、行政の危機意識が薄いとの御指摘でございます。  この立て看板は、子供たちが万が一にもアスベストに被曝することのないことを第一に、さらに、ガラス破片等が散乱している建物内でけがをしないよう、地元市と協議し、立入禁止の文字を大きく明示し、子供たちにもわかるように、よい子はここで遊ばないと併記した上で、建物の周囲四カ所に設置したものでございます。  現状、今では出入りする者はほとんどいないものと、見かけない状況でございますが、この立て看板の表示につきましても、さらに工夫することがあれば検討してまいりたいと考えております。  今後とも、地元市と協力し、児童生徒などが立ち入ることのないよう引き続き周知に努め、巡回を行ってまいります。  次に、旧トーヨーボールの建物内部の状況を把握しているかとのことでございますが、御指摘のように、建物内部は、机やいす等の什器類やガラスの破片などが散乱しているといった状況でございます。  アスベストにつきましては、鉄骨のはりに耐火被覆として使われているのを確認いたしております。  今後、アスベスト除去工事が行われる場合には、労働基準監督署等と連携し、所有者や実際に解体を行う業者に対し、石綿障害予防規則や大気汚染防止法などに基づき、適切に調査、除去、処分が行われるよう、しっかりと指導してまいります。  次に、安心・安全な県政についてのお尋ねでございます。  アスベストの問題は、県民の方々の安心・安全にとって重要な問題であると認識いたしております。  本県では、アスベスト問題が明らかになって以来、いち早く官民で組織する愛知県アスベスト対策協議会を設置し、三つの基本方針のもと、その体制を整えるとともに、県内のアスベスト環境濃度測定、アスベスト除去工事現場への全数立入確認検査などを実施するなど、積極的に取り組んでまいりました。  御指摘の旧トーヨーボールにつきましても、アスベストの環境調査を行い、現時点では、周辺環境への影響はないことを確認いたしておりますが、さらに、建物に人が出入りしないように、建物の所有者に対し、さくの設置を指導したり、地元市や教育委員会の協力を得て、立入禁止の看板の設置や地元の方々や学校児童生徒への周知、あるいは定期的な巡回を現在まで行ってきております。  しかしながら、建物内部の状況については、住民の方々の御心配もございますので、所有者等の理解も得ながら、地元市ともさらに知恵を絞ってまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、環境行政は、地球環境問題など、近年、その間口が広くなってきておりますが、アスベストのような大気汚染や化学物質問題など、従来からの公害問題も安心・安全な県政を実現する上で重要でありますので、引き続きしっかりと取り組んでまいります。  以上でございます。 26: ◯副議長小久保三夫君) 進行いたします。  伊藤勝人議員。     〔二十五番伊藤勝人君登壇〕(拍手) 27: ◯二十五番(伊藤勝人君) 順次お尋ねをいたします。  私は、この場にて三回にわたり、学力、体力、徳育、国語力について議論させていただきました。そして今、安倍内閣が国会の最重要課題法案と位置づけていた改正教育基本法が、昨年の暮れ、成立しました。この教育基本法改正の目的として、安倍首相は、新しい時代に合った理念を定めることだとして、公共の精神や道徳心を取り上げています。  それを受けて、現在、中央教育審議会では、学習指導要領の見直しが行われており、十九年度中には新しい学習指導要領の内容が発表されると聞いております。  中央教育審議会の経過報告によりますと、学校の果たす役割として、基礎、基本を徹底し、みずから学び、みずから考える力などを育成することにより、確かな学力とともに、豊かな人間性、たくましく生きるための健康や体力などを含めた生きる力の育成を進めることがますます重要であると述べられております。  以前申し上げたことをなぞらえながらお尋ねしてまいりたいと思います。  ここ近年、立て続けに日本の子供たちの深刻な学力低下の現状が報告されました。二〇〇三年におけるOECDの十五歳生徒の学習到達度調査では、二〇〇〇年調査で一位であった数学的リテラシーが六位に転落、科学的リテラシーは二位のままでしたが、読解力では八位から十四位まで順位を落とし、下げ幅は参加国中最大でありました。  また、国際数学・理科教育動向調査の二〇〇三年度版では、前回四位であった中学二年の理科が六位、数学は五位のままですが、前回調査に引き続き、数学、理科もシンガポール、韓国、台湾、香港に負けています。  OECDの数学リテラシーの調査では、韓国と香港に抜かれてしまいました。シンガポールと台湾は参加をしておりません。両調査とも中国も参加をしておりません。一九九九年当時の大学生の数学力調査では、中国に大きく負けていました。恐らく、数学、理科ともに、北朝鮮を除けば、アジアの最低レベルに転落をしています。  英語力に関しても、ここ数年、TOEFLの平均点は、北朝鮮と並んで、東アジア最低レベルであることが明らかになっています。  日本の子供が当面の、また、今後のライバルとなる東アジアのすべての国に負けているだけでなく、この問題は現在進行形の問題でもあります。  PISAでも、二〇〇〇年から二〇〇三年の間に顕著な順位の低下がありましたが、TIMSS調査では、中学二年生の数学力は、一九八一年以降、九五年、九九年、二〇〇三年と、調査のたびに順位を落としています。  さらに申し上げるならば、TIMSSの例えば中学二年の数学の調査では、台湾が横ばいであるのを除けば、シンガポール、韓国、香港は平均点を上げています。それなのに、日本は九点も点数を下げ、統計的な誤差とは言えない落ちざまであります。  そして、読解力が相当に落ちている。現に国語力だけでなく、数学の問題の意味がよくつかめないという人も出ています。英語を勉強させる以前に日本語をしっかり勉強させるべきだという危機的状況にあると言えます。  さらに、読解力や科学的リテラシーなど、ほとんどすべてでトップに位置しているフィンランドが世界で最も競争力の高い国とされていることでもあります。しかも、今回の調査を受けた子供が社会に出るころはさらに期待が持てるというこの調査を見る限り、フィンランドの天下は長く続いても、日本は既に韓国に学力で抜かれているわけであり、将来的には産業までも抜かれていく可能性が高いと考えられます。  自分たちの子供がかわいそうだだけでなく、自分たちの住んでいる国が他国にばかにされたり、差別されたりしないためにも、勉強をさせ、学力を上げなければならないという時代が来ている、その折の改正教育基本法だと認識をしております。  ありやとやした。三年前、私が取材をしておりますサッカーでの子供のあいさつでした。やり直し。ありがとうございましたでしょう。今は立派にできるようになりました。そして、小泉八雲が残してくれた隣人を思いやる心、日本人は世界で最もすばらしい、はるか昔、明治の話であります。  日本の子供たちは、お金を目的にして勉強していたわけでなく、子供の時期に、勉強ができる人は偉い人というような価値観を上手に刷り込まれていたから、皆が勉強していたのではないのでしょうか。要するに、社会的尊敬の方がお金より価値があるという共通認識が社会にあったのであります。  私たち大人が子供たちに教えなければならないのは価値観です。この国のことを思い、社会の役に立つ人間になって、周りの人から尊敬されることが一番価値のあることであり、そのためには一生懸命勉強しなければいけないということを教えるべきだと思います。それが学力向上の出発点であると思います。  そして、人間は、ある一定レベル以上の高度な思考は自国語でないとできないそうです。小さなころからバイリンガルで育った人間以外は、どんなに外国語が上手でも高度な思考は自国語で行っています。したがって、英語教育を拡大する前に日本語教育を徹底しないと、高度な思考ができる子供たちが減ってしまいます。  十年後の東京オリンピックの招致活動が始まりました。先般のマスコミ報道によりますと、特殊な種目を除いて、今の子供たちの体力では、そのとき、金はおろか銅メダルさえとれないのではないかとのセンセーショナルな記事でありました。  外で遊ぶ子供をとんと見かけません。スポーツクラブや親の趣味で運動する子供たちだけが一定の体力をつけていると見るのが今日的と思えてなりません。健全な肉体に健全な精神が宿る。いつごろ使われた言葉なのかとふと思い起こすことがあります。  以上申し上げ、教育基本法の改正に向けて、基礎、基本の学力を定着させることが大切なことであると考えますが、こうした子供たちの確かな学力の育成について、教育長の御所見を伺います。  次に、子供たちに公共の道徳や規範意識をはぐくんでいくことは重要なことと考えますが、今後道徳教育をどのように進めていくお考えか、お伺いをいたします。  次に、体力は子供たちが活力ある生活を支え、たくましく生きるために必要不可欠なものと考えますが、今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。  最後に、声を出して本を読ませたり、正しい日本語を話す指導をするなど、すべての教科の学習の基盤となる国語力の育成についてどのように取り組んでいかれるのか、教育長にお伺いをいたします。  次に、本県の観光振興策についてお尋ねをいたします。  二、三例を挙げます。先般、視察の折に、空港でありましたが、香港や台湾ツアーを企画している方とお話をする機会を得ました。北海道で二泊、東京で二泊のツアーが東南アジアでは人気があるんだそうであります。北海道はなるほどということを思いますが、東京で二泊、すなわち秋葉原であります。メイド・イン・ジャパンの日本の商品、電化製品やカメラ等々の買い物がセットになると人気があるのだそうであります。  この地域には大須があります。アメ横があります。参考にしていただければと思います。  そして、いま一つは、京都の西陣織の着物ショーへ参りました。その折に、開催をされているときのほとんどのお客さんが韓国であったり、台湾であったり、中国の方たちなんだそうであります。そして、奈良へ行きます。奈良のお寺さんも東南アジアの方たちでいっぱいでありました。大阪城へ行きました。日本語を話しているのはまさに私たちのグループだけでありまして、飛び交っている言葉はアジアの言葉でありました。そして、箱根へ行きました。これまた同じことであります。  まさに今、アジアから多くの方々が日本に来ておられる。そのことを考えますと、この地域でそういう現象をなかなか見受けることがありません。これも一つヒントであります。  いま一つ、先般、私の妻が、大阪市出身でありますけれども、お友達とたびたび旅行に出かけております。そのときに幹事を引き受けました。お父さん、このあたりでどこへ行ったらいいのでしょうという相談を持ちかけてくれました。そこで、大竹先生に相談をしました。そうしましたら、西浦を御紹介いただきました。西浦温泉。西浦温泉で一泊をします。三ケ根山へ行って、蒲郡市内でイチゴ狩りをしたのだそうでありました。大変に好評だったということを後から聞きました。  そのときに、今申し上げましたように、東京あたりの方や関西圏の方がほとんどでありますので、西浦温泉を初めて知ったとか、西浦温泉、こんないいところなのに知らなかったという方たちがほとんどでありました。三ケ根山はだれも知らなかったんだそうであります。イチゴ狩りはみんな知っていたわけでありますけれども、そんな状況であったということであります。これも一つのヒントだということを申し上げて、以上を踏まえて、お伺いをいたします。  国におきましては、観光振興を二十一世紀における日本の重要な施策の柱として位置づけ、昭和三十八年に制定した観光基本法を昨年十二月に全面改正し、観光立国推進基本法として、本年一月一日に施行したところであります。  新法では、住んでよし、訪れてよしの国づくりを目指し、それぞれの地域が持つ特色を生かした魅力ある観光地づくりの取り組みを推進するとともに、それぞれの地域の伝統、文化などの魅力を内外に発信して、国際・国内観光を推進することとしております。  観光産業は、旅行業を中心として、運輸業、宿泊業、飲食業等、幅広い産業に関連する非常にすそ野の広い総合産業であります。経済波及効果が非常に大きく、二十一世紀の我が国のリーディング産業として大いに期待されているところであります。  ちなみに、国の平成十八年度観光白書によりますと、平成十六年度の国内旅行消費額は二十四兆五千億円、生産波及効果は五十五兆四千億円、これによる雇用効果は四百七十五万人で、総就業者の七・三%を占めております。  観光が少子・高齢化時代における経済活性化の切り札であり、観光による交流人口の拡大が地域経済活性化の起爆剤であると期待されているゆえんであります。  そこで、本県の観光を取り巻く状況を見てみますと、愛知県観光レクリエーション利用者統計では、観光レクリエーション施設利用者は、平成元年以降、一億一千万人から一億二千万人で推移をしてきましたが、平成十七年は一億六千六百二十一万人となり、前年と比較いたしますと約四千八百万人の大幅な増加となりました。  この増加の主な要因は、愛知万博の入場者二千二百五万人と中部国際空港の見学者一千三十万人でありますが、それ以外の施設においても、全体で千五百万人の増加となっております。愛知万博の開催や中部国際空港の開港効果による県内各地のにぎわいが数字の上でも明確にあらわれております。  また、愛知万博の開催は、一市町村一国フレンドシップ事業などによる草の根の交流を深めることができ、一時的とはいえ、この地域が日本で最も国際交流の進んだエリアとなったと言っても過言ではありません。  さらに、国の内外から多くの訪問客をお迎えしたことで、愛知のおもてなしの心、機運が大きく盛り上がり、県民の皆様にも誇りと自信が芽生えたものと確信をいたしております。  さて、本県が地域の総力を挙げて取り組んだ二大プロジェクトである愛知万博が閉幕して一年半、中部国際空港が開港して二年が経過をいたしました。二大プロジェクト後のこの地域の状況は、中部国際空港の活用による国の内外との交流拠点性の飛躍的な高まりとともに、東海環状自動車道の整備や平成十九年度末に予定されている東海北陸自動車道の全面開通など、国内交通アクセスの利便性がますます向上してまいります。  さらに、名古屋駅前周辺におきまして、従来のJRセントラルタワーズに加え、トヨタ自動車の国際部門が東京から移転したミッドランドスクエアや名古屋ルーセントタワーの開業、スパイラルタワーズが来年二月に完成予定など、超高層ビルの相次ぐ開業などにより、国内外から多くのビジネス関係者や買い物客が集まる玄関口として、にぎわいと交流の促進が期待されるところであります。  このように見てまいりますと、本県における観光面でのポテンシャルは確実に強化されているところでありますが、一方で、昨年三月、本県が策定した新しい政策の指針によりますと、本県におきましても、少子・高齢化の進展とともに二〇一五年をピークに人口減少過程に入ると予想されております。  既に県内には、自動車産業を初めとして、国際競争力を有する産業が集積し、この地域を牽引している地域がある一方で、人口減少が急激に進み、地域社会の維持が困難になっている山間地域もあります。  こうした中で、さらなる地域の発展を図っていくために、物づくり産業と並んで、観光を初めとしたサービス産業の発展による交流人口の拡大が不可欠であると確信をいたしております。  二大プロジェクトの成果を一過性に終わらせることなく、また、団塊世代の大量退職時代において、充実した生活の豊かさを実感できる地域社会をつくるためにも、県内のそれぞれの地域が特色を生かした魅力ある観光地づくりの取り組みを推進することが重要であると考えているところであります。  そこでお伺いをいたします。  本県では、空港、万博の二大事業の成果と観光立国の推進など観光を取り巻く環境の変化を踏まえ、平成二十二年までの行動計画として、愛知観光チャレンジプランの策定を進めておられますが、国の内外からより多くの方々にお越しをいただき、愛知の魅力を知っていただくために、今後どのように観光振興に取り組んでいかれるのか、お伺いをいたします。  次に、外国人観光客の誘致についてであります。  海外からの観光客の誘致につきましては、さきに述べた観光立国推進基本法でも、国際観光の振興を柱の一つに掲げているところでありますが、国においては、既に二〇〇三年度から訪日外国人旅行者を二〇一〇年までに一千万人に倍増することを目的としたビジット・ジャパン・キャンペーンを展開しているところであります。  この活動の展開により、訪日外国人旅行者数は、二〇〇三年の五百二十一万人から万博の開催された二〇〇五年は六百七十三万人、二〇〇六年は七百三十三万人と着実に目標の一千万人に向かって増加をしております。  昨年の訪日外国人旅行者を国別に見てみますと、韓国が二百十一万七千人でトップ。続いて、台湾百三十万九千人、アメリカ八十一万六千人、中国八十一万一千人、香港三十五万二千人、イギリス二十一万六千人の順となっており、圧倒的にアジアからの訪問客であります。  また、昨年からの増加率を見てみますと、中国が二四・三%増でトップ。続いて、シンガポール二三%、韓国二一・二%、香港一七・九%増の順で、二けたの増加率となったのはアジア地域のみであります。  本県でも、さきの愛知万博におきましては、百万人を超える外国人の方々のお越しをいただき、国の目標に寄与するとともに、海外における愛知の知名度も大いに向上したところであります。  新しい施策の指針においても、産業や文化を世界に発信する国際交流大都市圏づくりを基本課題とし、アジアを中心とした外国人観光客の誘致を図り、国と同じく二〇一〇年までに外国人来訪者数百万人を目指すとされております。  そこでお伺いをいたします。  本県は、物づくり産業の中心地域として、世界との交易、交流の拡大が最も重要であります。万博で高まったこの地域の知名度や交通インフラの整備と万博の成功によって培われた地域の自信を背景に、真に世界に開かれた国際交流拠点を強化していくためには外国人観光客の誘致促進が重要だと考えますが、今後どのように取り組んでいかれるのか、お伺いをし、質問といたします。(拍手) 28: ◯教育長伊藤敏雄君) 教育行政に関しまして、四点の御質問をいただきました。  初めに、確かな学力の育成についてでございます。
     子供たちの確かな学力をはぐくむためには、子供たちが学校での授業に集中して取り組み、一人一人がわかる楽しさ、あるいはできる喜びを味わえることが大切であると考えております。  教育委員会といたしましては、確かな学力を育成するためには教師の授業力が重要でありますことから、これまでの各種の研修に加えまして、本年度から授業名人活用推進事業やあいち授業塾推進事業を通して、教師の授業力を一層高め、指導方法の工夫改善を行っているところでございます。  さらに、来年度から新たに、子供たちにとってより魅力的な授業を展開するために、高学年を対象とした小学校における教科担任制推進事業や教員志望の学生を活用して授業中に個別に指導や支援を行う学習チューター派遣事業を実施するなど、子供たちの基礎学力の向上を図ってまいりたいと考えております。  なお、学力向上に関しましては、お示しのように、学習指導要領の改訂など、現在、中央教育審議会でも論議が進められておりますので、その動向も注視してまいりたいと考えております。  次に、道徳教育についての御質問であります。  子供たちの道徳性をはぐくむためには、学校と家庭及び地域との連携が不可欠でありますことから、これまで、地域の協力を得ながら心の教育推進活動を展開したり、道徳の時間の授業公開を進めるなど、道徳教育の充実に努めてきたところでございます。  今回の教育基本法の改正により、家庭の責任や学校、家庭及び地域住民等の相互の連携、協力の必要性がより重視されたところでございまして、県といたしましては、こうした連携を一層深めるため、来年度からは特に規範意識の醸成に着目し、新たに学校の道徳教育を軸として、家庭や地域が一丸となって道徳教育を推進する地域とはぐくむモラル向上事業を展開していくことといたしております。  今後、こうした取り組みを進める中で、子供たちの公共の精神や規範意識を培ってまいりたいと考えております。  次に、体力の向上についての御質問であります。  体力は、人が知性を磨き、知力を働かせて活動していく源でもありまして、生きる力の重要な要素となるものと思っております。  本県におきましては、これまでも小学校から高等学校までの体力のすぐれた子供や体力づくりに熱心に取り組んでいる学校を顕彰する体力づくり推進事業等を通して、子供の体力向上を図ってきたところでございます。  昨年九月に、国のスポーツ振興基本計画の見直しが行われ、子供の体力低下の問題は重要課題とし、子供の体力の低下傾向に歯どめをかけ、上昇傾向に転ずることを目指すという新たな政策目標が示されたところでございます。  本県といたしましても、子供の体力低下の問題は重要な課題ととらえておりまして、これまでの取り組みをさらに充実させるとともに、来年度からは、中学校の運動部活動と総合型地域スポーツクラブ等と連携し、相互の人材や施設等を有効に活用する運動部活動活性化実践研究事業を実施するなど、学校内外のスポーツ環境を充実させ、子供の体力向上を図ってまいりたいと考えております。  最後に、国語力の育成についての御質問でございます。  最近の言葉遣いの乱れにつきましては、議員も御指摘のとおり、危惧するところでございます。世論調査におきましても、敬語の使い方に間違いが多くなっているという結果も出ております。  現在、県内の多くの小中学校では、適切に話したり、聞いたりする言語力や語彙力を高めるために、さまざま工夫を凝らした音読やスピーチ集会などの取り組みが行われております。  県におきましても、子供たちの国語力を高めるために、教員を対象にした教育課程フォーラムにおきまして、国語力の向上に向けた講演会を実施し、指導方法の改善、充実を図っております。  また、県内の十校を国語力向上モデル事業の推進校に指定をいたしまして、話す、聞く、書く、読むことの確実な定着を図り、国語力を高める指導法の研究を進めているところでございまして、その成果の普及にも努めてまいりたいと存じております。  また、読書も国語力を高める上で効果があると考えており、学校での読書活動を一層推進してまいりたいと考えております。  いずれにいたしましても、国語力はすべての教育活動ではぐくまれていくものと考えておりますので、国語の授業はもとより、他の教科や総合的な学習の時間の中でも、国語力向上のための取り組みに一層努めてまいりたいと考えております。 29: ◯産業労働部長(平野洋君) 本県の観光振興に関するお尋ねでございます。  愛知万博の開催によりまして、国の内外で本県の知名度が向上をいたしております。地元におきましても、おもてなし機運が大きく醸成されたというところでございます。加えて、中部国際空港の開港などによります交通の利便性、これが飛躍的に向上しておりまして、観光を通じた交流の拡大を図る環境が整っているというところであります。  このため、本県では、この機を逃さずに積極的に観光の振興を図るために、専門家の皆様にもお集まりをいただきまして、本年度内に愛知観光チャレンジプランを策定することといたしているところであります。  このプランは、今後、平成二十二年度、二〇一〇年度までの四年間で観光振興を図るために、地域の魅力の向上と交流の拡大、こういったことを目標に据えまして、第一に、産業観光や武将観光など本県を代表いたします観光ブランドの創造と発信。第二に、県内各地域の観光まちづくりを進めます観光地域の魅力の向上と推進体制の形成。第三に、二〇一〇年度までに来訪者数百万人を目指します外国人観光客の誘致促進。第四に、国際的な知名度の向上と交流の拡大のための国際的イベント、コンベンションの開催による交流の促進の四つを施策の柱といたしておりまして、魅力的な地域づくりとともに、広く国の内外からの誘客の促進を図ってまいりたいと考えているところでございます。  中でも、観光ブランドの創造につきましては、本県が信長、秀吉、家康を初め、多くの戦国武将を輩出した土地でございまして、武将ゆかりの名所、旧跡、祭りなどが多く残されておりますことから、これら武将の足跡をめぐります武将観光を産業観光と並ぶ本県を代表する観光ブランドに育て上げるために、武家文化の象徴でございます名古屋城本丸御殿の復元に取り組んでおられます名古屋市などと協調、連携いたしまして、シンポジウムや観光展などを初めとしまして、各種事業を展開してまいります。  また、魅力ある観光地域づくりを行うためには、まずは、地域の皆様がその地域の気づかれなかったような魅力の発掘とか磨き上げを行うことが最も大事であるということでございますので、NPOやボランティアなどの皆様と一緒になりまして、県下各地域で観光まちづくり推進会議を開催いたしまして、誇りと愛着を持っていただき、また、魅力的な情報発信をすることができるような観光地づくりを進めてまいります。  次に、外国人観光客の誘致促進に向けた取り組みについてであります。  先ほど申し上げましたとおり、愛知観光チャレンジプランでは、外国人観光客の誘致促進を柱の一つに据えまして、海外に向けた観光PRとか中部国際空港を活用しました誘致事業、ホスピタリティーの向上を目指します取り組みを進めてまいりたいと、かように考えているところであります。  具体的には、観光における将来の巨大市場であります中国からの観光客誘致を積極的に進めるために、本県の上海産業情報センターに誘客アドバイザーを設置いたしまして、訪日旅行に関します現地のニーズの把握に努めるほか、中国全土に向けました観光情報の提供とか旅行業者からの相談への対応を実施しまして、着実な成果に結びつけてまいりたいと、かように考えております。  また、外国人観光客は、広い範囲を周遊して旅行することがございます。東海四県とか中部九県で外国人観光客誘致に向けました協議会を設置しておりまして、広域的な連携のもとに、自然、歴史、文化、産業などを生かしたさまざまな観光ルートを設定いたしまして、PRを進めますとともに、海外の旅行業者、観光ジャーナリストの招聘、あるいは海外で開催される観光展示会への出展などを実施してまいります。  一方、言葉とか生活習慣の違いから、外国人観光客の受け入れに抵抗感を持つ宿泊施設がまだまだ少なくないという現状がございます。こういったことから、県内の宿泊業者、観光関連事業者等を対象にしました外国人観光客受け入れセミナーを開催するなど、外国人観光客の受け入れ態勢を向上させていきたいと、かように考えております。  また、観光以外の目的で来訪されますビジネス客を対象に、生産現場とか関連する分野の博物館の視察などを組み込みました観光プログラムの開発を旅行業界と連携して進めまして、ビジネス客の観光客化も重視してまいりたいと、かように考えております。  以上です。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 30: ◯三十九番(三浦孝司君) 暫時休憩されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 31: ◯副議長小久保三夫君) 三浦孝司議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 32: ◯副議長小久保三夫君) 御異議なしと認め、暫時休憩いたします。     午後二時四十五分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━     午後三時四十分開議 33: ◯議長内田康宏君) 休憩前に引き続き会議を開きます。  通告により質問を許可いたします。  渡会克明議員。     〔五十番渡会克明君登壇〕(拍手) 34: ◯五十番(渡会克明君) 通告に従いまして、順次質問をしてまいります。  初めに、少子化対策についてお尋ねをいたします。  知事は、さきの選挙において、私の約束と題したマニフェストを作成し、今後四年間に取り組む七つの政策の柱のもと、六十の政策を掲げられております。  このマニフェストの政策の柱の第一番目には、安心できる健康・福祉社会づくりを挙げられており、また、その具体的な取り組みの第一番目から第三番目までに示されているのが少子化対策に関するものでありました。  このことは、知事が少子化対策に重点的に取り組むという姿勢のあらわれであり、我が党が提言している子供の立場に立ったチャイルドファースト社会の構築が反映されるものであり、こうした取り組みを大いに評価しているところであります。  県民は、知事が示されましたこのマニフェストにより、今後の県政に夢を抱いたわけでありますから、今度は知事が県民の抱いた夢を実現する番であります。  知事は、マニフェストに示された数多くの取り組みを実現していく責任があるわけであります。この二月定例会に提案されました平成十九年度予算案の内容を拝見いたしますと、マニフェストに掲げられた具体的な取り組み項目の多くが既に計上されております。県民の抱いた夢を直ちに実現しようとする知事の誠実な対応に感服いたしております。  この予算案のうち、少子化対策事業としては、この二月定例会に提案されております少子化対策推進条例の趣旨を社会全体に浸透させ、少子化の流れを変えるという機運を高めるために、推進会議を設置することや県民大会を開催すること、また、市町村や商店などの協力を得て実施する子育て家庭に対する優待事業や地域で子育て家庭を支援するための組織を市町村ごとに設けて、子育て家庭の不安感の解消を図るために行う地域子育て力強化事業、さらには、結婚を希望する若者に出会いの機会の提供などを行う結婚支援事業を実施することなど、マニフェストに沿った内容の事業が新たな取り組みとして盛り込まれているところであります。  これらの事業の中で、結婚支援事業については、昨年の九月議会における我が党の米田議員、岩田議員の一般質問において、その必要性を訴えたところであります。結婚に対する価値観は、以前と比較しますとかなり変化してきていることもあり、未婚化、晩婚化が進んでいると思います。  しかしながら、国の調査によりますと、独身の若者のうち、およそ九割の方々が結婚する意思を持っているという結果が出ておりますので、結婚する意思を持ちながら結婚できない若者が数多くいるというのが現状であります。  このような状況において、知事が結婚支援事業をマニフェストに示され、平成十九年度から直ちに実施されようとしていることは大変意味のあることだと考えております。ただ、事業として実施する以上は効果のあるものとしなければなりません。  そこでお尋ねをいたしますが、この結婚支援事業をどのように実施していかれるのか、お伺いをいたします。  次に、医療人材の確保について質問をいたします。  まず、公立病院等で不足している勤務医の確保についてであります。  平成十六年四月から、医師の免許を取得した後、二年間の研修を義務づける医師の臨床研修制度が始まってから大学病院の研修医が減りました。これは、研修医がまれな疾病の患者が多く、肺炎などの一般的な症例が少ない大学病院を敬遠して、幅広い症例を数多く診ることのできる大規模病院を研修先として選ぶようになったからだと言われております。  そして、医師不足になって困った大学病院が、それまで医師を派遣していた関連病院から医師を引き揚げるといった動きが生じております。  また、病院の勤務医が厳しい勤務状況であるという問題があります。病院の勤務医は、連日夜遅くまで診療に追われる上、宿直明けもほとんどの医師が連続して勤務しており、中には六十時間以上続けて勤務したことのある医師もいるとのことであります。勤務医は慢性的な疲労状態にあり、中には、疲れ切って開業医への道を選ぶ方もみえると聞いております。  さらに、訴訟の問題もあります。例えば最近も報道がありましたが、出産時の医療事故については裁判で争われることが多く、こうした紛争の多いことが産婦人科医の不足につながっていることも指摘されております。  こうした状況の中、私の地元である豊橋市の市民病院も非常に厳しい状況になってまいりました。  豊橋市民病院は、ベッド数が九百十、まさに東三河全体の医療を支える中核的な病院でありますが、大学からは、この四月から精神科や小児外科の常勤の医師を引き揚げるとの連絡があったとのことであり、こうしたことは他の地域でも生じております。  地域の政策的な医療を担う公立病院が医師不足で大変困っており、早急に対応しなければなりませんが、こうしたことが全国的な課題となっていることから、その解決のためには、国における抜本的な対策が急務であると考えます。  先ほど申し上げた出産時の医療事故の関連では、全国知事会などの働きかけもあり、出産に伴う医療事故によって障害などが生じた患者を救済し、紛争を速やかに解決する、いわゆる無過失補償制度の創設に向けた検討が現在国で進められております。  しかしながら、そのほかにも、診療報酬の見直しや研修制度の見直しなど、国で対応しなければならないことがまだまだあると思います。  一方、県においては、本年度から、地域医療の確保のために医師を病院に紹介するドクターバンクなどを内容とする医師確保対策推進事業を実施していると承知しております。さきの知事選における知事のマニフェストの中には、奨学金制度を将来的に創設することが掲げられておりました。  そこでお尋ねをいたします。  公立病院などの勤務医不足の状況を受けて、県として今後どのような医師確保対策を考えているのか、お伺いをいたします。  次に、看護師の確保について質問をいたします。  看護師の需要については、在宅医療の拡充などにより、今後も増加する見込みである一方、供給においては、少子化の影響から、看護師養成所からの新卒者数は頭打ちの状況であり、現場は人材不足にあります。  また、医療の高度化、専門化により、これまで以上に看護業務が煩雑化、複雑化し、過酷な労働条件にあることから、退職される方が多いと聞いております。  また、結婚、出産などを契機に退職された方が職場復帰を目指しても、このような環境では職場復帰は難しいと思われます。  さらに、昨年四月の診療報酬改定に伴って創設された手厚い看護師配置基準、いわゆる七対一看護の適用を目指し、一部の大規模病院が新卒者の大量採用を行っていることから、中小病院においては看護師不足が特に深刻となっております。このことは、看護業務が成り立たなくなるばかりではなく、ひいては地域医療の崩壊につながりかねません。  このような事態を受け、中央社会保険医療協議会(中医協)では、厚生労働大臣に対し、平成二十年度の診療報酬改定において、七対一看護の見直しを行うことなどを求めた建議書を先月末に提出しております。この中で、中医協は、国に対して看護職員確保対策を積極的に取り組むよう求めております。  診療報酬の改定などは国で対応することではありますが、建議書で求められた看護職員確保対策については、県としても対応しなければならないと考えております。  一方、資質の高い看護師の養成も必要であります。県は、看護研修センターを平成十五年に設置し、指導者や看護教員の養成に努めておりますが、医療の高度化、専門化に対応するためには、さらなる対応が必要と考えております。  そこでお尋ねをいたします。  県では、これまで看護師確保について、養成と資質の向上、普及啓発、再就業の支援と離職防止を柱にさまざまな対策を講じていると聞いておりますが、今後どのような対策を、重点的に実施するおつもりか、お伺いをいたします。  また、専門性の高い看護師の養成について、県ではどう取り組むのか、お伺いをいたします。  質問の最後は、障害者福祉施設における工賃倍増計画について質問をいたします。  障害のある方一人一人の人格と個性が尊重され、地域社会の中で持てる能力と特性に応じて、自立した日常生活や社会生活を送ることができるような社会の実現を目指す障害者自立支援法が昨年十月から全面的に施行されました。  この法律の理念に基づき、障害のある方々が地域で安心して暮らしていけるようにするためには、グループホームなど住まいの場の充実だけではなく、日中活動の場の確保を初めとする障害のある方々の日常生活を支援するさまざまな仕組みを充実させていく必要があります。  その中でも、障害のある方々が自分で働いて得たお金をもとにみずからの生計を立てていくことができるよう、就労面での支援を強化していくことが障害のある方の自立にとって大変重要であると思います。  そのためには、まず、一般企業が障害のある方々の雇用に積極的に取り組まなければならないことは言うまでもありません。障害のある方々の中には、その障害ゆえに、直ちに一般企業に就職することが困難な方も多くいらっしゃいます。企業で働くことが難しい方にとって、授産施設や小規模作業所は、就労の場としての役割だけではなく、日常の相談や仲間づくり、さらには地域住民との交流など、さまざま役割を担っております。  こうしたことから、障害のある方々が地域社会の一員として、みずから働き、収入を得て、自立した生活を送る上で、授産施設や作業所は大変大きな役割を果たしていると思います。  障害のある方がグループホームなどで生活するためには、国のモデル事業によれば、月々十万円程度は必要であるとされております。障害基礎年金二級の方ですと、年金額が月額約六万六千円ですから、あと三万四千円の収入を確保しなければなりません。厚生労働省によれば、工賃月額の全国平均は一万五千円だそうであります。平均額を得ていても、一カ月の必要額にはまだ二万円程度足らないのであります。こうした状況から、障害のある方々や保護者の方々からは、これでは生活していけないなどの切実な不安の声をお聞きいたしております。  授産施設や作業所などの施設の中には、利用者に支払う工賃が月額五千円から一万円と平均を大きく下回る水準にあるところもあると聞いております。  こうした背景には、今までの授産活動においては、工賃は職業指導の上での副産物であるという考えが強く、目標工賃をきちんと定めて、その達成に向けて、計画的、組織的に取り組むということが必ずしもなされていなかったからではないかと思います。  私は、障害のある方々が地域の中で経済的にも自立した生活を実現するためには、授産施設や作業所の充実強化が必要であり、県としても、工賃を引き上げるための対策に直ちに取り組むべきであると考えます。  さらに、工賃を引き上げるということは、障害のある方々の生きがいや能力をより高めることにもつながり、一般就労の促進にも役立つと思います。  そこで、第一点としてお尋ねをいたします。  本県には、さまざまな障害のある方の施設がありますが、授産施設や小規模な作業所など授産活動を行っている施設においては、どのような授産製品を取り扱っているのか、また、支払われている工賃がどのような状況であるのか、まずお伺いをいたします。  次に、本県においても、全国と同様に工賃が低いものと思われますが、その理由はさまざまにあるのではないかと思います。  そこで、第二点としてお尋ねをいたします。  授産施設や作業所の工賃が低い状況について、県としてはどのような課題があると考えているのか、お伺いをいたします。  次に、工賃が少ないということについてさまざまな理由や課題があるとして、これを解決するにはどうしたらよいかということであります。
     県では、平成十九年度から五年間の工賃倍増計画を策定し、授産施設等の工賃の倍増を目指す工賃倍増推進事業という新規事業を開始すると聞いております。障害のある方々が地域で安定した生活を営むために、県としても、工賃の引き上げには積極的に取り組むべきであると思いますが、重要なのは、各施設が創意工夫や努力をしていくことに対し、県としてさまざまな支援を行っていくのと同時に、本県における製造業を初めとするさまざまな企業集積など、この地域の特性を十分生かした取り組みをすべきであるということであります。  そこで、第三点としてお尋ねをいたします。  この課題を解決して工賃を引き上げるために、県はどのように取り組んでいかれるのか、お伺いをしまして、私の壇上での質問といたします。ありがとうございました。(拍手) 35: ◯健康福祉部長小島通君) まず初めに、少子化対策に係る結婚支援事業についてお答え申し上げます。  国が未婚者に対して実施した調査によりますと、約六割の方が異性との交際における悩みを持っており、その悩みといたしましては、周囲に異性がいない、異性の気持ちがよくわからない、自分の意思を相手にどう伝えてよいかわからないなどという回答が多くなっております。一方で、独身の若者の約九割が結婚を希望しているという調査結果も、議員御指摘のようにございます。  そこで、結婚を希望しながら出会いの機会が少ないために、または出会いの機会があってもその機会をうまく利用できないために結婚がかなわない若い男女に対しまして、出会いの機会の提供などを行う事業を実施したいと考えております。  この事業は、民間事業者やNPOから事業の企画案を提出していただき、最も効果があると思われる企画を提出された事業者に委託いたしまして、実施しようというものでございます。  その事業の内容といたしましては、県内の複数の場所で、全体でおおむね四百八十人程度を対象といたしまして、コミュニケーションの方法などの座学とお見合いパーティーを行うことを基本に考えているところでございます。  県がこのような事業を行うことによりまして、新たに家庭を築き、子供を生み育てることに夢を持つことができるような機運が社会全体に高まっていくことを期待しているところでございます。  次に、障害者の工賃倍増計画の推進について、三点の御質問にお答えいたします。  まず、本県の授産製品の状況及び工賃の実態についてでございます。  授産施設の状況につきましては、毎年度調査を行っておりますが、施設における授産製品につきましては、手提げ袋などの縫製品を初め陶芸品、パン・菓子類、農産物などの自主製品、そして自動車部品等の組み立て、箱詰めや袋詰めなどの受注製品といったものが主なものとなっております。  また、授産工賃につきましては、身体、知的、精神の全授産施設における平成十七年度の月額平均を見ますと、一万五千四百五十五円という調査結果が出ておりまして、全国の平均であります約一万五千円とほぼ同じ状況となっております。  次に、工賃が低い状況についてどのような課題があるのかというお尋ねでございます。  一般に、授産施設におきましては、福祉的就労に重点が置かれ、製品の企画や営業、生産管理といった経営に関する意識やノウハウが不足しておりまして、工賃引き上げに対するインセンティブも乏しい状況にあったものと考えております。  また、施設の利用者におきましても、就労の向上に対する意識が必ずしも高くないことや、企業、自治体等の発注者サイドにおきましても、授産施設の製品に対して、品質や納期に不安を持っていることなどが挙げられるものと存じます。  最後に、工賃を引き上げるためにどのように取り組んでいくかとのお尋ねについてでございます。  本県におきましては、ただいまお答えいたしましたような工賃の状況や課題に対応いたしますため、平成十九年度に工賃倍増計画を策定し、五年間で現行の工賃水準の倍増を目指すことといたしております。  具体的には、製品の市場調査を行って、授産製品の需要や販路の実態を把握いたしますとともに、授産施設に経営ノウハウを有する専門家をアドバイザーとして派遣し、工賃を引き上げるための経営手法や生産工程の改善についてコンサルティングを行ったり、複数の授産施設による共同受注や製品の積極的な広報宣伝活動による業務量の拡大などを図りまして、工賃の倍増を目指してまいりたいと考えております。  この工賃倍増計画を着実に推し進め、成果を出してまいりますため、議員お示しのとおり、本県は製造業の盛んな地域でもありますので、地元企業の方の物づくりの知恵をおかりいたしまして、地元ならではの魅力ある製品の開発や販売などに積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  以上でございます。 36: ◯健康福祉部健康担当局長五十里明君) 医療人材の確保についての御質問にお答えをいたします。  まず、医師確保対策についてでございます。  医師の確保は、県民生活の安心・安全を確保する上で大変重要な課題であると認識をいたしております。したがいまして、今年度から医師不足への対策といたしまして、ドクターバンクの実施、医師確保に関する委員会や講習会の開催、医療現場から離れている医師が職場復帰する際の研修に対する補助を内容といたします医師確保対策推進事業を実施いたしております。  これらの事業のうち、ドクターバンクにつきましては、昨年九月に開設をいたしまして、現在までに三名の医師を医療機関に紹介し、採用が決定したところでありまして、今後も一層の周知を図ってまいりたいと考えております。  また、来年度におきましては、女性医師一名分の業務を二名で分担する、いわゆるワークシェアリングのモデル事業、これを新たに実施いたしまして、女性医師が継続して働くことのできる勤務環境について、調査、検討してまいりますほか、奨学金制度の創設等につきましても検討してまいります。  こうした県としての取り組みと合わせまして、本年度は、知事が全国知事会を代表いたしまして、医師確保対策について国に強く要望を行いました結果、議員御指摘のように、産科における無過失補償制度が来年度創設される予定となるなど、多くの成果を上げたところでございます。  今後とも、県としての対策を着実に実施してまいりますとともに、病院勤務医の待遇改善につながるような診療報酬の見直しなど、引き続き国に要望すべき課題もございますことから、機会あるごとに国への働きかけを行ってまいりたいと考えております。  次に、看護師の確保についてでございます。  今後の看護師確保対策につきましては、新人看護師などの離職防止や県内に三万人程度と推定されます未就業の看護師などに対する再就業支援、これを重点的に実施いたします。  具体的には、本県独自の離職防止対策として、今年度から実施しております研修体制の整わない中小病院などを対象とした出張研修、再就業支援策として、看護師の無料就業相談などを行いますナースセンター事業、それと、全国に先駆けて本県が実施いたしております県内での再就業を目指す方を対象といたしました看護職カムバック研修、これらの事業を拡充してまいります。  また、資質の高い看護師の養成につきましては、従来から、看護研修センターにおきまして、認知症高齢者の看護など専門性の高い卒後教育を実施しておりますが、さらに、来年度新たにがん患者に対する看護のエキスパートを養成するため、がんセンター中央病院と愛知病院におきまして、臨床実務研修、これを実施するなど、医療の高度化、専門化に対応できる看護師の養成にも力を注いでまいりたいと考えております。 37: ◯議長内田康宏君) 進行いたします。  寺本充議員。     〔六十一番寺本充君登壇〕(拍手) 38: ◯六十一番(寺本充君) 通告の順に従って、順次質問をしてまいります。  ただいまの渡会議員の少子化対策と同じタイトルになりますが、若干視点を変えて、質問の第一問から始めたいと思います。  最初に、少子化対策としての働き方の見直しについてでお伺いをさせていただきます。  昨年十二月に国が公表しました日本の将来推計人口では、今後、我が国は一層少子化、高齢化が進行し、合計特殊出生率の五十年後の推計値は一・二六と、前回五年前の推計の一・三九から大幅に下方修正され、総人口は一貫して減少を続けると見込まれております。  その結果、二〇五五年には日本の人口は九千万人を割り込み、しかも、六十五歳以上人口が四割を超えることになるという衝撃的な内容でありました。  この少子・高齢化の進行は、労働力人口の減少、消費の縮小、社会保障制度の持続可能性の懸念など、我が国の経済成長、国際競争力に深刻かつ多大な影響を及ぼすことが懸念されますとともに、社会的な影響としても、地域社会の活力の低下や子供の間の交流の機会の減少などによる子供の自立心の社会性の醸成への悪影響なども危惧されております。  これらの課題を解決していくためには、人口減少を前提とした経済・社会システムを構築していくこととともに、出生率の低下に歯どめをかけ、上昇に転じさせる努力をすることで、できるだけ人口減少の速度を緩和することが必要であります。  少子化問題は、平成二年に出生率が一・五七と、ひのえうまの年である昭和四十一年の一・五八を下回って以来、社会的にも大きく注目され、これまで政府においても、エンゼルプラン、新エンゼルプランなどによる総合的な対策や平成十五年に制定された次世代育成対策推進法に基づく施策の推進など、さまざまな取り組みが進められてきております。  それにもかかわらず、少子化の進展には一向に歯どめがかかっていません。その原因といたしましては、昨年十二月に内閣府から出されました少子化社会白書においても、子育て支援サービスが身近で利用できるほど十分に行き渡っていないことや若者が経済的に自立することが難しい社会経済状況であるとともに、働き方の見直しが進んでいないといった社会的背景が指摘されております。  この白書においては、特に働き方の改革が重点的に取り上げられており、その中で、現状の働き方の問題点として四点指摘されておりますので、御紹介させていただきます。  一点目は、出産等を契機に働く女性の七割が退職しているなど、女性が仕事と子育てを両立することが難しいということがあります。働く女性が増加する一方で、仕事と子育ての両立を支える環境が整わないことや、結婚や出産、子育て等により失われるコストやキャリアの問題が大きいことなど、出産、育児か、仕事かという二者択一を迫られている状況が依然としてあり、それが働く女性にとって、結婚や出産に対して消極的な原因となっているということであります。  二点目は、子育てを支援する制度があってもなかなか利用しにくいということであります。平成十七年女性雇用管理調査によりますと、女性の育児休業取得率は七二・三%で、前年より一・七ポイント増加してはおりますが、男性の取得率は〇・五%と極めて低い状況にあります。  育児休業制度や育児期の短時間就労など子育てを支援する制度が整備されても、長時間労働など生活よりも仕事や職場を優先するこれまでの働き方が根強い職場環境においては、制度の利用が一向に進まず、仕事と子育てが両立できる環境にはなっていないということであります。  三点目は、長時間労働や仕事優先の働き方により、男性が子育てや家事に十分参加できていないということです。子育て期に当たる三十代の就業時間が長く、四人に一人が週六十時間以上という長時間労働となっていること。また、日本の男性の家事・育児時間は一日平均で一時間にも満たず、欧米先進国の三時間程度と比べ非常に少なく、家事、育児の負担が女性に集中している状況にあります。  女性が仕事と子育てを両立するためには、夫婦がお互いに負担を分かち合えるように協力することが重要であり、そのためには、男性が家事や育児時間を確保できるような働き方の改革が必要となります。  四点目は、若い子育て世代が地域とのかかわりを持ちにくいということであります。職場や仕事を優先する働き方のために、近所づき合いや地域活動に十分な時間を割くことができず、困ったときに子育ての相談や気軽に子供を預けられる人が身近にいないなど、子育ての負担感が非常に大きく、地域の中で孤立する若い世帯がふえていることから、地域とのつながりを確保できるような働き方の見直しの必要があります。  こうした状況を克服し、若い世代が子供を生み育てやすい環境をつくるためには、これまでの働き方を見直し、ワーク・ライフ・バランスの実現、つまり、仕事と生活の調和のとれた働き方ができるように、職場全体の働き方や雰囲気を変えていく必要があります。  そのためには、子育て世代だけを配慮するのではなく、働く人すべてがさまざまな生活ニーズや価値観に合わせて、短時間勤務やフレックスタイム制、在宅勤務等、柔軟な働き方を選べるようにしていくことが重要であります。  国においては、少子化の流れを変えるため、働き方の見直しを重要な課題としてとらえ、企業が実施する育児支援制度などへの助成を来年度拡充するとともに、労働関係法令の改正等を進めているところであります。  また、先月九日には、子どもと家族を応援する日本重点戦略検討会議を設置、開催し、働き方の改革など四つの分科会を発足させ、さらなる政策の検討を進めることとしております。  本県におきましても、仕事と子育て等との両立支援に前向きに取り組んでいる企業について、全国的にも先駆けてファミリー・フレンドリー企業として認証しており、また、仕事と生活の調和の推進に向けたシンポジウムやセミナーも開催しておられますが、この二月議会に提案されております少子化対策推進条例の制定を契機として、少子化の流れを変えるための新たな施策が求められるところであります。  そこでお尋ねいたしますが、働く人の仕事と生活の調和を図るには、行政や企業、地域の関係者などが協力し、社会全体で働き方の見直しを進め、子育てを支援していくことが必要でありますが、県としての考え方と今後どのような施策に取り組んでいかれるのか、お示しください。  次に、個々の企業における取り組みの推進についてでありますが、企業の雇用環境の整備に関しましては、大企業では、すぐれた人材の確保、従業員の定着性、生産性の向上、あるいは企業の社会的責任(CSR)として、育児休業期間の拡大や不妊治療の助成、多様な働き方のサポートなど、積極的な取り組みを行う企業が目立ってきております。  しかしながら、中小企業においては、経営面で余裕のないところが多く、女性雇用管理調査によりますと、育児休業制度の規定状況や育児休業取得率は、規模が小さいほど低くなっております。  県内企業で働く人の八割が中小企業に勤めているという現状を考えますと、中小企業においても、幅広い世代が仕事と家庭の調和を実現できるようにすることが大変重要であり、仕事と子育ての両立支援と働き方の見直しのための就業環境の整備を積極的に進めるべきものと考えるところであります。  そこで質問いたしますが、仕事と家庭の調和の実現に向け、中小企業での取り組みを具体的にどのように推進していくお考えか、お伺いをいたします。  次に、治安対策について、警察本部長にお尋ねいたします。  ちょうど今から五年前の平成十四年五月に、私は警察委員会の委員長につかせていただきました。そのころの治安情勢がどうであったか、今思い返してみますと、長引く不況を反映してか、犯罪の発生が増加の一途をたどり、しかも、犯罪の低年齢化や少年・不良来日外国人が引き起こす凶悪事件の多発、IT関連犯罪の台頭などが社会問題となっており、それに反比例して犯罪の検挙率が年々低下を続けるなど、日本の治安は本当に大丈夫かと騒がれ始めたころであった覚えであります。  また当時といえば、埼玉県で起きたストーカー殺人犯罪での警察の対応の悪さが指摘をされ、連日のようにマスコミによる警察バッシングが続けられていた時期でもあり、警察刷新という新たな課題に警察自身が直面していた時期でもありました。  この傾向は、我が愛知県も同様で、私の委員長在任中も好転することはなく、それどころか、一段と犯罪の多発傾向に拍車がかかるなど治安の悪化が進み、さらには、平成十三年の九・一一テロを初めとした国際的なテロ対策問題、事案の対策に追われ、交番に警察官が不在となる空き交番対策問題などと警察を取り巻く諸問題が山積されており、開催される委員会では、常に犯罪が多発する原因であるとか検挙率低下の原因、治安回復のための方策などが議論されていた記憶がございます。  平成十五年に入ると、追い打ちをかけるかのように、オレオレ詐欺などという新手の犯罪が登場して、瞬く間に全国に被害が広まり、そのやり方も日に日に悪質巧妙となり、また、老人や女性をねらったひったくり事件が多発するなど、まさに、いつでも、どこでも、だれでもが犯罪の被害者になり得ると感じられるようになってきてしまったのであります。  また、この年の九月には、ちょうど私の地元で国じゅうを震撼させるような事件が発生いたしました。皆さんも記憶に新しいことと思いますが、東区大曽根のビルの一室に人質をとって立てこもった犯人が、床にばらまいたガソリンに火をつけ、爆発させ、犯人を含む三人が死亡。警察官一名が殉職されてみえます。  この事件では、爆発する瞬間が全国ニュースで流れたこともあり、テレビを見ていた人たちもみんな、怖い世の中になったなと口をそろえて話していた姿が今も印象に残っています。  この年、平成十五年には、とうとう県内の犯罪、つまり、刑法犯認知件数が初めて二十万件を超え、二十二万五千七百六件となったばかりか、自動車盗、自動販売機ねらいの被害が全国ワーストワンとなるなど、県内の治安水準が極めて危険な水準に達し、治安回復のための施策が急務となったのであります。この間、県警も手をこまねいて見ていたわけでないことは十分に承知いたしております。増加する犯罪への対応だけでなく、ストーカーなど各種相談業務の増加等により、警察の業務負担が深刻な状況にあったと思います。  そのような状況の中で、平成十五年暮れに策定、発表されました愛知県警察治安回復アクションプランは、街頭犯罪、侵入犯罪の認知件数の二〇%削減と検挙人員の二〇%増加を目指すなどと具体的な数値目標を掲げ、さらに、この目標を平成十六年以降、三年間で達成するという内容のものであり、これを目にしたとき、正直私は目標の達成はかなり難しいであろうと思っておりました。  時あたかも、中部国際空港の開港と愛知万博の開催という二大プロジェクトを間近に控えた時期でもあり、これらの業務負担の増加を考えたとき、私自身、県警にはこれらの目標を達成するような人的余力はもはや残っていないのではないかと考えていた次第であります。  ところが、このような私の心配をよそに、平成十五年まで右肩上がりであった刑法犯認知件数が、平成十六年は前年比一万七千余減少いたしまして、二十万八千百七十件。翌十七年は、前年比九千件余り減少いたしまして、十九万八千九百三十七件と一転減少傾向に転じました。アクションプラン最終年である昨年十八年は、何と十五万七千三百八十二件と前年比で四万一千件余り、率にして二〇・九%の減少ということで、三年連続の減少。しかも、七年ぶりに十五万件台でおさまったのであります。  実現が厳しいと思われたアクションプランの策定年である十五年と比較すると、数にして実に六万八千三百二十四件、率にして三〇・三%もの減少となったわけで、まさに県警の底力を見せつけられた感がいたします。  もちろん、ここまで犯罪が減少してきた功労は県警だけの力でもないと思います。十六年四月の愛知県安全なまちづくり条例の施行、十八年年頭の知事による治安回復元年宣言、知事提唱によるあいち地域安全緊急三か年戦略、十三年以降、毎年警察官を増員し、そして何よりも県民みずからが進める自主防犯活動など、三位一体でのすべての活動が総合的に発揮されての成果であることは間違いありません。  こうした連携のもと、警察は、先んじて治安の回復のためにアクションプランを策定し、目標達成に向けて組織一丸となって邁進された県警の果たした役割は大いに評価するものでございます。  ただ、まだまだ日本の治安が大丈夫であるとか、安全・安心の愛知などと胸を張れる水準にはほど遠いと言わざるを得ませんし、県警では、アクションプランの三年間を終わり、新たに平成十九年からの目標を掲げたアクションプランIIを策定し、公表されてみえますが、アクションプランの三年間の成果をどのようにとらえてみえるのか、また、アクションプランIIを推進していく上での意気込みをまずお聞かせ願いたいと思います。  次に、県民の希望する治安回復のための施策についてお尋ねいたします。  最近、町中でパトロール中のパトカーや警察官の姿をよく見かけるようになりました。これは、私だけの意見ではなく県民の方々の感想でもあります。  県警が打ち出した治安回復のための施策の一つであると思いますが、県民が肌で感じることができる治安回復に最も効果的な施策に違いないと私は思います。県民の実に三三・九%の方がパトカーや制服警察官によるパトロール活動の強化を希望してみえることが平成十八年度県政世論調査の結果で明らかになっております。地域の安全のためには、警察官の姿を見せることが一番安全であると県民が考えていることを裏づける調査結果で、そういった意味で、最近よく警察官の姿を見かけるという県民の方々の感想は意味深いものであると思います。  また、最近特に目にするようになったのが、交番の前や交差点にりりしい姿で立つ警察官の姿です。そこに交番があることは知っていても、交番の前で立っている警察官の姿を見かけると、警察官に見守られているなと安心感が増す気持ちになるのは私だけではないと思っています。  ただ、一つ望むとすれば、交番前などに警察官に立っていただくだけでも県民にとっては安心感が増すということには違いありませんが、板橋区で女性を助けようとして殉職された宮本警部のように、日ごろから通りかかる人たちに対する声かけなどをもっと積極的にやっていただければ、より県民の安心感、信頼感が増すとともに、犯罪防止にも大いに役立つのではないかと思うのです。  交番の警察官が立ち番中に積極的な声かけを行うことにより、付近の住民の方との親密感も増し、交番を中心とした強固な地域コミュニティーが完成するのではないでしょうか。私のところにも、県民からそういった施策を望む声が結構多く寄せられております。  そこでお尋ねをいたしますが、治安回復のために県民が真に要望するこの種の施策を推進することの重要性をどのように考え、どのように実行していかれるおつもりか、お答えいただきたいと思います。  実は、昨日も地元の方々と話をしておりましたときに、最近の子供はよくキレるとか、残忍な犯罪を引き起こすことが多くなったなという話になりました。昔だったら、夏だと、縁台を置いて座って、近所の人たちと話をして、スイカを食べながら、子供たちを見れば自然と目配りがされていて、悪いことをすると、こらっとしかられたもんだけれども、最近は全く近所づき合いも減って、子供たちも少なくなったな、外で顔を見なくなったな。うちの小学校なんか、ほうっておいても、三十人以下学級で学年一クラスしかないよ。この間も校長先生が、どこかにうちの小学校に入学する子供さんはいませんか。転入する子供があったらぜひ教えてくださいと必死だったよ。少子化や犯罪の増加に歯どめをかけるためにはどうしたらいいんだろうね。おじいちゃん、おばあちゃんと一緒に生活するのがいいんじゃないか。いや、向こう三軒両隣という近所づき合いが最近なくなっちゃったからな。やっぱり地域の目が必要だというふうに思うよ。  まさにきょうの質問に合致するような、そんな県民の生の声を聞かせていただいて、こういった声を御披露させていただいた上で、それぞれ誠意ある答弁を期待いたしまして、壇上からの質問を終えさせていただきます。ありがとうございました。(拍手) 39: ◯産業労働部労政担当局長(青木学君) 少子化対策としての働き方の見直しについて、二点のお尋ねがありました。  まず、少子化対策としての仕事と生活の調和の推進についてお答えします。  働く人は、仕事と生活の調和を図りながら、安心して子供を生み育てることができる雇用環境をつくるためには、事業主や労働者自身の意識改革を図るとともに、少しでも多くの企業において仕事と子育ての両立支援のための具体的取り組みを推進していただくことが重要と考えております。  中でも、育児休業規定などの整備がおくれております従業員三百人以下の中小規模の企業に対しましては、次世代育成対策推進法に基づく一般事業主行動計画の策定を積極的に促すとともに、大企業も含めまして、行動計画の効果的な実施を促進する必要がございます。  このため、昨年の十一月から十二月にかけまして、愛知県商工会議所連合会などの経済団体や県内の全商工会議所・商工会に対しまして、知事名の文書により、傘下の企業における取り組みの促進についての要請を行いました。  さらに、来年度新たに、経営者団体、労働団体、行政機関などによる働き方の見直しのための協議会を設置いたします。この協議会を通じまして、企業の自主的な取り組みの促進や啓発活動などを関係者が一体となって推進して、従業員の子育てを支援する企業の一層の普及拡大を図るとともに、働く人の仕事と生活の調和に向けた企業の取り組みを推進してまいります。  次に、仕事と生活の調和の実現に向け、中小企業における取り組みの具体的な推進策についてでございます。  本県におきましては、これまでファミリー・フレンドリー企業の認証を行ってまいりましたが、来年度からは、一般事業主行動計画の策定を前提にいたしまして、より多くの企業が参加できる仕組みとするファミリー・フレンドリー企業登録制度を創設いたします。  従業員数三百人以下の中小事業主に対しましては、登録に当たり、育児休業規定の整備や子育てと両立しやすい多様な働き方などについて、適切な助言、指導を行うアドバイザーを無料で派遣するとともに、ファミリー・フレンドリー企業として登録していただいた中小事業主には、奨励金といたしまして十万円を支給してまいります。  さらに、登録企業の取り組みを県のホームページに掲載するほか、就職を希望する学生などに対しまして企業フェアを開催し、ファミリー・フレンドリー企業の先進的な取り組みなどを広く紹介してまいります。  こうした新たな支援策によりまして、ファミリー・フレンドリー企業を拡大し、中小企業における雇用環境の整備を促進していきたいと考えております。 40: ◯警察本部長(山本博司君) 治安対策についてお答えをいたします。  まず、アクションプランの関係でお尋ねがございました。  県警では、治安回復に向けて、平成十六年以降の三カ年にわたり、アクションプランに基づいて、総力を挙げて取り組んでまいりました。  その結果でありますが、昨年の刑法犯認知件数が平成十五年当時と比べて約六万八千件減少するなど、大きな成果としてあらわれたところでございます。
     県警として、この点、それなりの手ごたえを感じております。それと同時に、こうした成果というものはもとより、議員お示しのとおり、県、県議会、各自治体のお取り組み、それから住民の皆さん御自身の意識と行動の盛り上がり等々、愛知県が官民一体となって取り組んだ成果であると、このように考えております。  しかしながら、決して楽観することはできません。十年前と比較すると、全刑法犯認知件数は約一・四倍、殺人、強盗などの凶悪犯、これの認知件数は約二・四倍に達するなど、治安水準は数値的にも依然として危険な水準にあると考えております。  また、昨年の暮れに県政の世論調査の結果がお示しのとおり公表されておりますが、その中で、治安が悪くなっているとの回答は、前回の平成十六年当時の調査より大きく減ってはおりますが、依然三八%ございます。一方で、よくなっているという回答は一七%にとどまっておるところでありまして、県民の皆さんのいわゆる体感治安の回復といったものも、いまだ道半ばと言わざるを得ないと考えております。  県警では、こういった状況を踏まえまして、治安の回復基調をさらに確実なものとする、そして加速する、そういった目標のもとに、本年以降の新たな中期計画といたしまして、アクションプランIIを策定いたしました。さまざまな施策メニューとともに数値目標も掲げております。私どもでは、今後、あいち地域安全緊急三か年戦略とともに、このアクションプランIIの実現を通しまして、治安がさらに回復して安全・安心の愛知が実現するよう、さらに全力で取り組んでまいります。  また、その推進におきましては、これまで以上に、県、県議会、各自治体との連携、協働を深め、また民間の各界各層、地域住民の方々のお力添えをいただきながら、まさに県民総ぐるみでの取り組みの中で成果が上がるよう努めていく考えでございます。  次に、県民の皆さんの要望に即した施策という点についてお答えをいたします。  議員お示しのとおり、県民の皆さんは、多くの方が警察官の街頭活動を望んでおられます。パトカーや制服警察官による街頭活動は、事件や事故の処理に当たる場面はもとよりでありますが、単なるパトロールであったとしても、県民の皆さんに警察力の存在を実感していただく、あるいは警察によって守られていると、そういった安心感を持っていただく上で非常に意義のあることであると考えております。  このため、私どもでは、アクションプランの推進とあわせまして、交番勤務の警察官の増強、それから、交番で警察官をバックアップするOBの交番相談員という者がおりますが、これの増強、あるいはパトカーの増強など、こういった街頭活動体制を人的、物的両面から強化してまいりました。  なお、来年度の予算案におきましても、この交番相談員の方三十五名分の増強を盛り込まさせていただいております。  また、勤務形態の面でも、各交番に対しまして、事件、事故で現場に出向するといったような、そういった特別な事情のない限りは、県民の皆さんの目に触れるように、午前七時から九時までと午後四時から六時までの間は、交番前で立ち番の勤務を行うよう指示しておるところでございます。  こうした立番勤務を行う際に住民の方々に積極的に声をかけるということは、これまた議員お示しのとおり、住民の皆さんとのコミュニケーションを通じまして、犯罪の防止であるとか、あるいは地域コミュニティーの構築、こういったものにも結びついていくものと考えております。若手は若手らしく、ベテランはベテランらしく、それぞれ住民の皆さんに積極的に声をかけて、地域に溶け込んでいくような、そういった努力を行うよう、これからも各交番を指導してまいります。  今後とも、そうした県民の皆さんの要望に即した活動を通じて、その信頼を確保して、その基盤のもとに治安の回復にさらに強固に取り組んでいきたいと、このように考えております。  以上でございます。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━ 41: ◯四十番(田辺克宏君) 本日はこれをもって散会し、明三月六日午前十時より本会議を開会されたいという動議を提出いたします。     〔「賛成」と呼ぶ者あり〕 42: ◯議長内田康宏君) 田辺克宏議員の動議のとおり決しまして御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 43: ◯議長内田康宏君) 御異議なしと認めます。  明三月六日午前十時より本会議を開きます。  日程は文書をもって配付いたします。  本日はこれをもって散会いたします。     午後四時四十二分散会 発言が指定されていません。 Copyright © Aichi Prefecture, All rights reserved. ↑ 本文の先頭へ...